タカタ、民事再生を申請…負債総額1.7兆円

製造業で戦後最大の経営破綻に

欠陥エアバッグ問題で経営が悪化しているタカタは26日午前、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。

東京商工リサーチによると、負債総額は自動車メーカーが立て替えているリコール(回収・無償修理)費用を含めて約1兆7000億円に上る見込み。世界の自動車の安全を揺るがした空前の大規模リコール問題は、製造業で戦後最大の経営破綻に至った。

記者会見するタカタの高田重久会長兼社長(26日午前、東京都千代田区で)=片岡航希撮影

連結子会社のタカタ九州(佐賀県多久(たく)市)、タカタサービス(東京都港区)も同時に民事再生法の適用を申請した。米子会社のTKホールディングスなど12社も米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。

高田重久会長兼社長は26日午前、東京都内で記者会見し、「全ての関係者、債権者の皆様にご迷惑をおかけすることになり、心より深くおわび申し上げる」と頭を下げた。自身の進退については「事業譲渡の実行までの適切な時期に経営責任を取って辞任し、次期経営陣に引き継ぐ」と述べた。

タカタは今後、裁判所の管理下で事業を継続しながら経営再建を目指す。リコール対象の部品などの製造を除くタカタの全事業は、中国企業傘下の米自動車部品メーカー「キー・セイフティー・システムズ(KSS)」が1750億円で買い取り、自動車メーカーへの部品の供給を続ける。再建を主導するKSSは26日、タカタの国内の製造拠点や雇用、部品の仕入れ先との取引をこれまで通り維持する方針を示した。

世耕経済産業相は26日、「影響を受ける取引先、中小企業の資金繰りに万全を期していかなければならない」と述べ、中小企業の連鎖倒産を防ぐ「セーフティネット保証1号」の適用検討を中小企業庁に指示した。主要取引銀行の三井住友銀行は250億円を上限とする融資枠を設け、当面の運転資金が不足することがないようにする。

東京証券取引所はタカタ株を26日付で投資家に注意を促す「整理銘柄」に指定した。タカタ株は7月27日付で上場廃止にする。

タカタ製のエアバッグは2007年頃から、作動時に異常破裂し、飛び散った金属片で運転者や同乗者の死傷事故が相次ぎ、08年にホンダが最初のリコールを行った。対象は世界で1億個程度に上るとみられる。

東京商工リサーチによると、タカタの負債総額は、製造業では戦後最大となる。16年11月のパナソニック子会社「パナソニックプラズマディスプレイ」(5000億円)、12年2月の半導体メモリー「エルピーダメモリ」(4480億円)を大きく上回る。

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
最新 経済指標の読み方・使い方

10年以上に及ぶ政府統計の大改革が始まった。実態をより理解できるようになれば、ビジネスでも活用の幅が広がる。経済指標を日々チェックしているエコノミストが活用術を伝授。