「無知な40歳」では恥ずかしいから勉強したい

チャラい若者を前に自省した女の思い立ち

失っていたことさえ忘れていた私の中の「勉強」欲を思い出させてくれたのは…(写真:sidelniikov / PIXTA)

チャラい若者の勤勉さに刺激を受ける

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

先日、知り合いから「紹介したい若者がいる」と連絡が来て、新宿三丁目の喫茶店に出向いたら、派手な柄シャツに金のネックレス、耳には安全ピンみたいなのが5つくらいぶら下がった金髪の青年が待ち構えていました。歌舞伎町からやって来たホストかスカウトマンかなと思っていたら、京都からやって来た俳優コースに通っている大学生なのだそう。彼は今21歳で来年プロの俳優を目指して上京しようと思っていて、東京の芝居を勉強しに来ているとのことでした。

人を見た目で判断してはいけないと常々思ってはおりますが、彼の外見のあまりのチャラさに反射的に心を閉ざしかけていたところ、金髪の彼は鞄の中からなにやらガサゴソ取り出しました。それは一冊の大学ノートでした。ノートを開くと、そこにはミミズの這ったような汚ったない字がびっしりと埋まっており、その中に「ペヤンヌマキ」という文字がありました。

彼は私と会うに当たって、私のことを事前に調べて来たらしく、ウィキペディアに載っていた情報を、ノートに全て書き写していました。そして、「お会いする前のヤスダの印象」という欄が設けてあり(「ヤスダ」というのは彼の名前)、私と会う前に予想した人物像まで書き込まれていたのでした。

ヤスダは、私が何か話す度に、逐一メモを取りました。そんな大層なことは何も言っていないのに、熱心に私の話に耳を傾けメモを取りました。東京にいる間にいろんなことを吸収するんだという彼なりの意気込みが伝わってきました。

昼間っから酒を飲んで遊び歩いてそうな若者の中に、そのような勤勉さがあったなんて、やはり人は見た目によりません。

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