孫社長、「後継者はAIではなく人間にしたい」

アローラ氏電撃辞任は「反省していない」 

今回の株主総会では、孫社長の後継者に関する質問も多かった(撮影:今井康一)

「風邪をこじらせた」という孫正義社長は終始せき込み、目も充血してつらそうだったが、最後まで一人で議事を進行した。6月21日、ソフトバンクグループが東京・有楽町で株主総会を開催した。中国アリババのユン・マー会長以外の取締役と5人の新任取締役が出席した。来場者数は2189人(前年比2人減)、所要時間は前年より58分短い1時間53分だった。

議長である孫社長は、61分かけて現在の事業環境やビジョンを説明。業績面では2017年3月期の営業利益が1兆円を超えたことを強調した。

「利益で1兆円、2兆円と数えるかもわからない。ホラですからね、風説の流布ではないですが」と語った2004年の株主総会の動画を見せて、「当時は赤字で『倒産するんじゃないか、株価は真っ逆さまだ』だと株主に言われた。株主にさんざんしかられた揚げ句に『ホラを吹いてくれないか』と言われて吹いたホラだった」と当時の心境を明かした。

最初の質問は永守氏に向けたものだった

このほか、決算を締めた3月末以降に起きた後発事象として、米グーグルから買収したロボット開発会社の米ボストン・ダイナミクス社を紹介。人工知能を使って血液検査でがんを発見する米ガーダント・ヘルス社を買収したことにも言及し、「ソフトバンクは携帯会社ではなく情報革命の会社。同志的結合を増やしている」と買収の意図を説明した。

途中で何度も咳き込むなど、この日の孫社長は不調のようだった(記者撮影 報道用のモニターより)

ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF。通称10兆円ファンド)を設立した経緯にも言及。石油依存からの脱却を図るサウジアラビアの投資担当者を「一番の近道は私と組むことだ」と口説き落としたエピソードを披露した。

その後の質疑応答は50分間。多くの株主からの質問を受けることを理由に1人1問に限られ、2問以上質問した株主には1問目のみ答えた。質問数は12件12人(前年は20件15人)だった。

最初の質問は孫社長ではなく、社外取締役である永守重信・日本電産会長兼社長CEOに向けたものだった。永守氏は6月8日付毎日新聞のインタビューで、ソフトバンクが3.3兆円で買収した半導体設計会社・英ARM(アーム)について「今ある技術にそれほど価値があるとは思えない。僕の目利きだと10分の1の3300億円」と持論を展開。「孫社長とどちらが正しいかは歴史が証明する」とまで発言した真意を問いただす質問だった。

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