三菱自動車にのしかかる「日産流改革」の重圧 主要部門の執行役員が軒並み日産出身者に

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5月に三菱自動車の愛知拠点を初訪問したゴーン氏。社員との対話集会で叱咤激励した(記者撮影)

軽自動車の燃費不正問題が発覚してから1年強。日産自動車の実質傘下で再出発した三菱自動車は、6月23日、新体制発足後初めての定時株主総会を開く。株主たちはどう評価するのか。

「三菱自動車に欠けているのは、利益ある成長。業績向上のために改革が必要だ」。昨年末に会長に就任したカルロス・ゴーン氏は5月中旬、愛知県の生産・開発拠点を初視察し、約400人の社員たちに奮起を促した。

日産・ルノー連合の一員となった三菱自動車には、収益面での貢献が当然求められる。ゴーン氏は2019年度までの販売目標として、2016年度比35%増となる125万台の達成を課した。

執行役員の4分の1が日産出身者に

日産は三菱自動車に出資した昨秋以降、主要部門の要職に自社の幹部を次々と送り込んでいる。現在は三菱自動車の執行役員27人のうち、7人が日産出身者だ。

今回の株主総会では、執行役員から社長を選任できるよう定款変更を提案する。日産出身者も社長に就きやすくするためとみられる。

現場には早くも“日産流”が広がる。外国人役員がトップに就いた海外営業部門では「営業目標がロジカルで緻密になった」(若手社員)。根拠の薄い数値目標を「気合い」でこなした以前に比べると、やるべきことが明確になったという。

人事を率いるのも日産出身者だ。透明性に欠ける評価体系を変える。「優秀な人がきちんと昇進できているのか、体質チェックをしているようだ」(日産関係者)。

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