ドイツの10代は「初恋人」を社交ダンスで作る ダンス教室は「子が安全に異性と出会える」場

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ダンス教室の2カ月コース終了後に開催される舞踏会は、親にとって子どもの成長を確認し、喜ぶ場。カクテルドレスで着飾った我が娘を見ながら「あんなに小さな赤ん坊だったウチの子が、男性とダンスを踊るようなお年頃になったのね」とウルッと来たり、タキシードをビシッと着こなし女性をエスコートする息子を見て「ウチのあの頼りなかった息子も、ちゃんと女性をリードできるようになったのね」などと目を細めるのです。

カップル文化で必要なことはダンス教室で学ぶ

筆者はよく「ドイツやヨーロッパではどんな男性がモテますか?」と聞かれますが、社交ダンスはもちろん日常生活においても「女性をスマートにリードできる」男性がモテます。レディファーストであることも含め、紳士的な振る舞いをいかに自然にできるか、というのがポイントです。

加えて、見た目上の“釣り合い”も大事な要素です。ドイツでは、皆どこか無意識のうちに「私たち、絵になるカップルかしら?」と釣り合いを気にしています。結果的に、これがパートナー選びの1つの判断基準になっている印象すら受けます。

カップル至上主義のドイツで身に付ける必要のある「異性に対する身のこなし」「絵になるカップルかどうかを見極める訓練」は、どちらも10代が通う「社交ダンス教室」から始まっているのです。

サンドラ・ヘフェリン コラムニスト

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Sandra Haefelin

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、多文化共生をテーマに執筆活動をしている。著書に『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)など著書多数。

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