ある大手家電量販店で携帯電話販売員をする佐伯百合さん(仮名、32歳)は、清楚でかわいらしい女性だった。年齢より若く、20代半ばにみえる。2年半前に離婚、店舗近くにある県内ワンルームマンションに一人暮らしをしている。
「私は仕事をしているので、世間で言われる貧困ではないかもしれません。ですが、女が単身で自立して生きていける世の中とは思えません。いろいろ厳しすぎます」
26歳で結婚、DVとモラハラで離婚
待ち合わせ場所で会うなり、窮状を訴える。大学を卒業して上京、派遣会社に登録して販売員をする。26歳で結婚、DVとモラハラが原因で離婚し、現在に至る。給与は基本給19万円に固定残業代6万円、社会保険が引かれて手取りは21万円ほど。家賃は7万2000円。手取りから家賃を差し引いても、余裕のない生活だが、相対的貧困には該当しない。
喫茶店に入ると、周囲を見回しながらスマホを取り出す。「おカネをあと少し稼ぐために風俗始めたんです」と言い、携帯画面を見せてくれる。卑猥な単語が重なった店名のホームページに、顔にモザイクのかかったネグリジェ姿の女性が写る。ネグリジェをまくり、ヘアーを見せている。ノーパン姿の艶っぽい女性は、目の前にいる佐伯さんだった。
彼女は本業である大手家電量販店の仕事内容と、その収入に不満を持っているようだった。家電量販店1階にある携帯電話売り場で、ある大手キャリアの担当している。
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