阪急阪神HD株主総会で関西の株主が吠えた! 接客態度からタイガースまで質問はさまざま

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――5月19日に発表された長期ビジョンの「深める沿線、広げるフィールド」というスローガンについて教えて欲しい。

2025年には関西圏の人口は5%減る。これくらいなら事業ポートフォリオに大きな変更はない。しかし2040年には関西圏の人口が16%減ると試算されており、今の事業ポートフォリオでは持たない。そこで、首都圏や海外の不動産開発に力を入れていくことにした。

――首都圏や海外でどのように不動産を展開していくのか。

東京では4%程度の利回りがある物件に投資したいが、なかなか厳しい。ただ基準を下げてまでやるつもりはない。オリンピック後に取得のチャンスが来るのではないか。ASEANでは分譲を行っている。賃貸も視野に入れているが、分譲でノウハウを積んでからだ。なお、財務体質を悪化させてまで不動産投資をするつもりはない。

――大阪市、JR西日本(西日本旅客鉄道)、南海電鉄(南海電気鉄道)らと共同で取り組むなにわ筋線、そして新大阪連絡線の戦略は?唐突に出てきた感じがする。

唐突ではない。西梅田駅、十三駅、新大阪駅を結ぶ計画については以前からずっと話してきた。大阪市交通局は新線建設よりも株式会社化を優先してきたので、先送りになっていたが、ようやくなにわ筋線が当社も参加できる形で協議がスタートした。

「車いすなのに駅員は助けてくれない」

運行については厳しい意見が続いた(チビグレイ / PIXTA)

――阪急梅田駅では発車ベルが鳴っても列車の運転席に運転士がいない。ベルが鳴り終わってから運転士が乗り込む。本来は早めに乗り込んで仕業点検をするべき。

折り返し時に運転士と車掌の打ち合わせに時間が取られることがある。ラッシュ時や遅延時は折り返し時間がタイトで、こうしたことが起きる。ご理解頂きたい。

――(別の株主)私は車いすを利用しており、運転席の真後ろに乗車することが多いが、運転士10人中8人は発車ベルが鳴り終わってから乗車している。時折起きるのではなく日常的だ。写真も動画も撮ってある。ゆとりが安全につながるのだから1~3分前に乗車すべきだ。

梅田駅では車いすをドアにはまされたことがある。目の前にいた駅員は体を張って止めようとしてくれなかった。残念だ。

十三駅では車いすの乗り換え拒否が続いている。「梅田まで回ってくれ」と言われる。駅長には3年前から改善を求めているが、なしのつぶて。こんなことはあってはならない。なぜ十三駅で乗り換えができないのか。

この場ではなく、いったん預からせていただき、後日担当者から回答させる。

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