日経平均は高値引け、1万4000円台回復 先物に振り回されるが、引けにかけて円安好感し上昇

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後場に入り先物主導で乱高下

午後の取引は前日終値比15円安で始まったが、12時34分から13時08分にかけて先物に断続的な売り物が続き、13時09分には119円安の1万3747円まで突っ込んで、これが本日の安値となった。その後、13時18分から今度は断続的に買い戻しと見られる小口の買いが入り、再び円安に傾いたことも好感してプラスに転換。結局大引けは183円高の高値引けとなった。

東証1部の値上がり銘柄数は1363(全体の77.7%)、値下がりは296(同16.8%)で93銘柄が変わらず。東証33業種別では全業種が値上がりした。上昇率トップは不動産の2.9%、これに証券、精密機器、鉄鋼が2%台で続いた。個別銘柄では、飲料用充填装置の澁谷工業がストップ高をつけて上昇率トップ。1円上昇で7円となったエス・サイエンスが2位。キムラタンも1円上昇の9円をつけて4位になるなど低位株の動きも目立った。ほかに前日に好決算を発表したマブチモーターや、アルバック、証券会社による投資判断の引き上げのあったジェイテクトも高かった。また、値ガサ株では、ここ数日売られてきたファナックが急反発。ファーストリテイリング、ソフトバンク、住友不動産、テルモなどの上昇も全体相場を引き上げた。

市場では、1ドル=98円台の円安となるなかで、輸出関連株中心に業績上振れ期待が高まっている。第1四半期では、トヨタ自動車が1ドル=92円に修正したのにとどまったことからも、現状水準の円安なら上振れ必至とみる向きが多いようだ。また、法人税減税への期待も強まっている。

本日夕方には、ユーロ圏のGDP速報値が発表になるなど、欧州主要指標の発表も多く、欧州や中国への過度の悲観、不透明感が薄れているとされるだけに、注目だ。また、週後半にかけて米国の重要指標の発表も控えており、「米国景気の回復を確認する段階」(市場関係者)との声もあった。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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