池上彰・佐藤優は、「読む本」をどう選ぶのか 2人の「知の源泉」を一挙公開、その秘訣は?

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池上:「俯瞰性の高さ」という話がありましたが、特に大きめの書店だと、関連書籍がひと目で俯瞰できるのもいいですよね。

「書店員の知識」を活用しよう

【本の選び方3】「書店員の知識」を活用する

池上:平積みされている本だけでなく、近隣の棚からヒントをもらうこともあります。書店の棚を見ているだけで、どんどん興味が広がっていきますよね。

佐藤:それは、書店員の力が大きいと思うんです。大型書店の専門書売り場の書店員の知識は、月並みな大学教授を凌駕しますから。「失敗しない本選び」には、おすすめ本を書店員に尋ねるのもいい方法です。

池上棚のラインナップを見るだけでも、非常に勉強になりますよね。彼ら彼女らがつくる書店の「棚」には、あらゆる知識が詰まっていると私も思います。

【最強の本選び4】基本はリアル書店、絶版本・希少本はネット書店で
佐藤 優(さとう まさる)/作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『読書の技法』(東洋経済新報社)など多数の著書がある(撮影:今井康一)

佐藤:私も自宅近くの書店にはよく足を運びますが、最近は読者から声をかけていただくことも多くなり、あちこちの書店に行くのは少し控えているんです。

池上:佐藤さんが書店にいたら、ファンにはすぐ気づかれてしまいそうですからね。

佐藤:そんな事情もあって、最近は国内外のネット書店もよく利用しています。ネット書店は、書籍の中でも「古書」と「希少本」を探しやすいのが便利ですね。

池上:確かに絶版本や希少本の取り寄せには、ネット書店は便利ですね。ただ私は、新しいテーマの本を探すときには、不慣れなせいかネット書店のキーワード検索だと、どうしても漏れる本が出てしまって……。

佐藤:あと、ネット書店では、本の表紙画像に「帯」が載っていないものもありますよね。しかし、本選びには、実は「帯の情報」が非常に重要なんです。なぜなら、「帯を見れば、本の実力が推察できる」からです。

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