「医者が監修するレストラン」は何が違うのか ステーキにはNZ産の完全放牧牧草牛を使用

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「現代では、眠れないと睡眠薬を使ったり、血圧が高いと降圧剤を使うというように、病気になると薬に頼る。しかし薬にはどうしても副作用があります。その前に、食事やビタミン、ミネラルの投与によって健康づくりをしていこうという取り組みを学会ではしています。そして医学会キッチンでは、単に食材にこだわった料理ではなく、さらに、健康の方向に持っていきたい。レストランを通じてわれわれのコンセプトを伝え、食事を通じて健康を考えるきっかけとなってほしい。そしてできれば、この取り組みを日本中に広げていきたいと考えています」(柳澤厚生氏)

では、今回オープンしたレストランでは実際にどのような形で、食についての情報を発信していくのだろうか。

「天使のエビ&ココナッツレッドカレー」1300円(写真提供:医学会キッチン)

まず、大きな特徴が、レストランで供される料理を医師が監修していることだ。たとえば「サマーシーズンのメニュー」を見てみると、「山梨県カルタファームより 季節野菜のパワーサラダ」など11種の前菜、「“渥美プレミアムサーモン”ジンジャー味噌マリネ TERIYAKI 京都おばんざい風」など7種の主菜が並ぶ。

ランチの時間帯には「天使のエビ&ココナッツレッドカレー」などの8種類のメニューが提供されている。医師監修の飲み物としては、スーパーフードスムージー、ワインなどがそろう。

グルテンフリーや低糖質をアイコンで表示

メニューには1品ごとに、食材の説明や監修ドクターによるコメントが詳しく書かれている。さらに、「グルテンフリー」「ローカーボ(低糖質)」「ビーガン(完全菜食)」「シュガーフリー」などがアイコンでわかりやすく表示されており、カロリー、糖質、たんぱく質、脂質の量も示されている。つまり、料理の由来や、どのような栄養が含まれているかなどを理解しながら食べることができるわけだ。

健康によい料理というと、どうしても味気ないものを思い浮かべるが、あくまでもレストランであるから、食の楽しみ、おいしさの追求という意味での、価値は提供していくようだ。店舗運営に関しては、熟成肉専門店「ステーキハウス听」など30店舗を運営するT・Sコーポレーションが担う。また料理をよりおいしく味わうためのアルコールについては、ドクターであり日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートでもある青木晃氏が監修している。「赤ワインにはポリフェノールが含まれているほか、白ワインの酸味は殺菌力があり、腸内細菌をリセットする」(青木氏)作用があるそうだ。

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