4人以上の場で話が苦手な人に教えたい知恵 心地よい2番手を目指し、否定語は発するな

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実際に「左から右に流れる」視線の法則にのっとり、売れなかったある商品Aを売れ筋商品Bの右横に配置したところ、売り上げは7倍にまで伸びました。

マーケターとして商品の評判を調査するために行っているグループインタビューでも、「1番手」の人から見て左前に「4番手」の人を配置したところ、1番手の人は積極的に4番手の人にアプローチをかけ、結果「4番手だった人」の会話量が2番目に多くなるケースは多々ありました。

とはいえ、いつもいつも「1番手の左前」を確保できるとは限りません。そこで、「ここだけは避けるべし」という席を挙げるとすれば、「1番手の右真横」。ここに座ってしまうと、あなたが視界に入ることはほぼなく、話を振られる率も上がらないのでご注意ください。

戦術(2) 前頭葉を「言葉が出る状態」にする

次は「話せるようになる」ための準備です。前頭葉を「言葉が出る状態」に持っていき、「処理能力の壁」を超えられるようにしていきます。

「言葉が出る状態にする」とは、前頭葉の血流をよくして、頭に血を巡らせ「自分の前頭葉を活性化させる」というアプローチです。前頭葉に血液が送られると活動が活発になり、本来の機能である「思考の整理」や「言語化」がよりスムーズに行われるところに狙いがあります。

では、前頭葉はどうすれば刺激できるのかというと、「手」にその秘密があります。実は、手や指を動かすことと前頭葉の活性化は密接につながっていて、「手を動かすこと」と「発話すること」は脳内では同じ領域(ブローカ野)が担当しているのです。

話がのってくると身振り手振りがどんどん大きくなる人がいますが、これも脳と手が密接につながっているためです。

「手」と「会話脳」は密接につながっている

「会話脳」である前頭葉を効果的に刺激するために、オススメの手の動かし方があります。

テーブルの下でできるのでインタビュー中よくやってもらっているのが、「1秒間に2回」のスピード感で手をギュッと握ったり、開いたりを1分する「グーパー刺激法」。手のひらには無数のツボがあり、グーパーすることで瞬間的に脳の血流量を上げることができます。

また、左右の指をくっつけてドーム上にし、親指から順に回転させる「指回し」もオススメで、指回しをすることで本を読むスピードが10倍も速くなったり、計算がスピードアップしたりと、「理性」を司る前頭葉にダイレクトに作用することが明らかになっています。

親指から順に、前回り10回、後ろ回り10回ずつ、トイレに退席したときや飲み会の10分前にするのがオススメです。

次ページ3つ目の戦術とは?
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