快進撃!「auスマートパス」の“仕掛け" KDDIの有料スマホサービス、700万会員を突破

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よく「パソコンではお客さんを集める自信があるけど、スマホに対するアプローチの仕方がよくわからない」という声を聞きます。こうした企業こそ、われわれと協力しやすいのではないかと思います。もちろん、私たちも以前の携帯電話の時代のようにユーザーの反応があるかと言えば、そうでないものもあります。そこは試行錯誤の連続ですね。

auショップも活用し、他社と差別化

――ユーザーとの接点を持っているのは携帯電話会社の強みですね。

確かに、何かサービスを出したけど、ユーザーが集まらず、まったく反応がないということはありません。来ていただいた方の反応をチェックすることはできる。この違いはありがたいです。アプローチの仕方として、パソコン向けのサービスならメルマガなどがあげられますが、われわれは端末だけでなくauショップもあります。こうしたリソースを活用しながら、他社とは違う形でやっていきます。

――田中孝司社長はどのような指示を?

「とにかくユーザーを送り込む送客パワーを付けるんだ」「これは新規事業にもつながる。そのための起点を作れ」と、毎日のように言われています。私の顔を見る度に「わかっているな?」という感じです(笑)。

でも、その通りです。ユーザーを効率的に送り込めるようになれば、プラットフォームはさらに活性化します。この、たくさんの人が行き交う大通りにコンテンツのお店を出すことで、初めてお店に人が来てくれる。こうした仕組みを作れと、つねに言われています。 

――1000万を超えて、会員数はどこまで伸びますか?

究極的にはスマホをお持ちのユーザー全員に広げたいと思っています。ただし、1000万会員を超えると、サービスはスマホ向けだけでよいのか、ということになると思います。つまり、ケーブルテレビ向けなども充実させていかないと。これから増えていくシニアはテレビ世代の方も多いので、ここにアプローチしていくことになると思います。どんな端末でも楽しめる真のマルチデバイス化を進めないと、こうした世代には入り込めない。グループのジェイコムやJCNとテレビを起点としたビジネスを作っていくことができれば、さらに成長できると思います。

(撮影:山内 信也)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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