「古民家」こそがインバウンド観光の目玉だ

「瀬戸内」が取り組む観光客誘致策の舞台裏

米国の調査会社フォーカスライトによれば、バケーションレンタルは全世界で約11兆円という市場規模があり、米国の旅行者の3割以上が利用しているという。その中でも、ホームアウェイは取り扱い物件の面では家や部屋を1棟丸ごと貸し出す“貸し切り物件”、利用者層と利用人数で言えば一人旅やカップル旅行よりも、ファミリーやグループによる利用に注力しているのが特色という。

同社サイトを見てみると、バリ島のプール付き物件(最大滞在数8人、約2万円)や香港のペントハウス(最大滞在数4人、約2万2200円)などラグジュアリーな掲載物件が目立つが、利用人数で割れば、1人当たりの料金は意外なほど安くなる。また、結婚式やパーティなどの特別なシーンでの利用に限られるだろうが、ヨーロッパの城や、島が丸ごと貸し出されるというユニークな物件も中にはあるという。

なお、バケーションレンタルは、日本語においては“民泊”という言葉にほぼ置き換えられる概念だが、現在、日本では、民泊を取り巻く状況は過渡期にある。

従来の旅館業法で定める4つの営業形態(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)に当てはまらない新たな民泊の営業形態について定める「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が2018年1月に施行されることが、すでに閣議決定されているが、現状は旅館業法を逸脱する“違法民泊”などの問題がクローズアップされることが多い。現段階における日本の法令で適法とされる民泊物件は、旅館業法に規定される「簡易宿所」の許可を取ったものと、国家戦略特区における「特区民泊」があるが、本稿で紹介する物件は、旅館業法の「簡易宿所」に該当するものであることを明記しておきたい。

古民家や街並みの再生プロジェクト

以下、せとうちDMOの事業支援を担う瀬戸内ブランドコーポレーションのマーケティングスペシャリストである木村洋氏に、せとうちDMOの取り組みや、ホームアウェイとの提携の経緯、今後の展望などについて話を伺った。

――せとうちDMOの取り組みについて、お聞かせください。

2016年4月1日の発足後、さまざまな活動を行ってきたが、そのうちのひとつが古民家や古い街並みを観光資源化し、インバウンド誘致を図ろうというプロジェクト。その海外向け情報発信プラットフォームとして、ホームアウェイを選ばせていただいた。

――数ある海外OTA(オンライン旅行会社)の中で、なぜ、ホームアウェイをパートナーとして選んだのか。

われわれの古民家宿を1棟貸しするプランや、メインターゲットとなる1泊当たり2万円以上の比較的高単価な客層の取り込みは、ホームアウェイが得意とするビジネス領域に近いと判断し、それが決め手となった。

また、ホームアウェイが属するエクスペディアグループのマーケティング力にも期待しており、ターゲットとなる顧客層がどのような宿を好むかなどのマーケットデータを提供していただき、その情報を次の開発に生かすような関係性を構築していきたいと考えている。一方で、われわれの側でも宿のオーナーに、海外OTAはホームアウェイを使うよう推奨するなどしている。

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