「米国株」グンと値上がりしたトップ100銘柄 17年前半はトランプ期待後退でハイテク集中

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米国の株式投資マネーが集まるニューヨーク証券取引所(写真:kSky / PIXTA)

米国で主要企業の決算発表が一巡。スタンダード&プアーズ(S&P)の調べによると、S&P500構成銘柄のうち75%の会社がアナリスト予想を上回る堅調ぶりで、情報通信や金融の増益が目立った。

ただ、足元では自動車の販売台数が伸び悩むなど一服感がある。さらに、肝心のトランプ政策もオバマケアの見直しに苦戦して以降、議会の壁にぶつかった。米国市場は強さと弱さの両面を見せているのが現状だ。東洋経済オンラインは、『米国会社四季報』編集部の協力を得て米国を代表するS&P500を構成する銘柄のなかで、2017年初から5月12日の終値ベースで株価が上昇した会社トップ100をランキングした。

『米国会社四季報』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

首位のアクティビジョン・ブリザードはゲーム大手。PS4など世界で人気の高いアクション・シューティング・ゲームを数多くそろえる。戦争をテーマにした「コールオブデューティ」のほか、「ディスティニー」「オーバーウォッチ」などが代表作だ。近年では「キャンディークラッシュ」などスマホ向けゲームのキングを買収し、収益を補完し事業に厚みが増した。ゲーム業界では9位にエレクトロニック・アーツもランクイン。スポーツの「FIFA」「NBAライブ」、戦争ゲームの「バトルフィールド」など、こちらも世界規模で人気シリーズを展開する。

2位のバーテックスは希少疾病の領域を得意とするバイオ製薬。6位のイルミナは遺伝子解析サービスを展開。8位のアイデックスは動物用の臨床検査サービスを提供する。それ以外にも11位の医療機器CRバード、12位の電子医療情報サーナー、17位の手術支援ロボットを手掛けるインテューイティブなどユニークな医療銘柄がランクインした。また、12位のアップル、25位のフェイスブック、29位のネットフリックス、39位のアマゾン、73位のアルファベット(グーグル)など世界でも有名なハイテク企業が勢ぞろいした。

金融は業績堅調だが伸び悩む

一方、米国内のインフラ投資が始まる期待から、昨年末の上昇相場を牽引した資本財は3位のアルコニックや5位のシーエスエックスが健闘したぐらいで、すっかり影が薄くなった。また、金融も業績自体は堅調とはいえ、昨年末に急激に上昇した反動で今年の前半は伸び悩み、ランキング上位に登場する銘柄はなかった。

ただ、トランプの政策期待が後退し、行き場の失ったマネーが人気のハイテク企業に集中した面も否めない。米国で大型株が大きく値上がりするのは珍しくない。が、時価総額数兆円という超大型株がここまで短期間で軒並み20%以上も値上がりするのは、さすがに異様な光景だ。

米国市場は前半を終え、グローバル企業に軍配。この勢いそのまま市場を席巻し、過熱感を払拭するのか。それとも米国第一を掲げるトランプ氏が苦境を打開し、トランプ銘柄が息を吹き返すのか。FRB(連邦準備制度理事会)の動向もカギを握る。この状況を抜け出し、後半の主役となるのは果たしてどの銘柄だろうか。

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