あなたの会社で新規事業が実を結ばない理由

社内で案を出した挑戦者を萎えさせるな

「ウチの会社、このままじゃダメなんだけどな…」と思いつつも新規事業がうまくいかない会社が多いのはなぜ?(撮影:今井 康一)
筆者は普段、さまざまな企業の新規事業開発について、社内制度の設計から案件開発、そして人材育成までを仕事にしています。100社、3500人以上の新規事業を社内起案しようという方々と接してきましたが、残念ながら新規事業をうまく生み出せている企業は少ないと言えます。
確かに組織的な課題も大きいのですが、そんな中で働く企業人としてはそれを憂いているだけでもいられません。本連載では実際に経験してきたさまざまな会社のエピソードを紹介しながら、企業人としての処世術をお伝えしていきます。第1回は「社内起業提案制度」を導入した会社に起こった事態から、新規事業の処方箋を考えてみましょう。

「社内起業提案制度」を導入したものの…

東京に本社を置く部品メーカーのA社。コアになる製品の業界シェアは圧倒的に高く、売り上げは数千億円の大手です。堅実な経営で社外からの評価も高い、そんなA社が創業50年を機に数年前に新たな「社内起業提案制度」を導入しました。

ここ数年の業績は安定しており利益も出ているのですが、長期的に見ると市場が縮小していくのは確実で、「今から何か手を打っておかないと……」は取締役会議でいつも出る話題の1つでした。

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といって具体的な新規事業案が役員から出ることもなく、専門組織を発足させ検討を進めることもなく、ただ年月を重ねていました。

そんな中「社員からアイデアを募るのはどうか」という案が出され、「若い人の自由な発想力に期待しよう」と、制度の導入が決まりました。

新制度は創業記念式典の中で社長から発表され、華々しくスタートしました。

現場の管理職に対しても「積極的な起案を促すように」とのお達しが経営企画部から届いたこともあり、想定を超え100件もの起案が集まりました。

……ただ、あれから3年。今では年に数件の起案しか集まりません。

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