日経平均株価は4日続落、円高などが重荷  「押し目買い」もプラス転換には至らず

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 5月31日、東京株式市場で日経平均は小幅に4日続落した。前日の米国株安に加え、為替が1ドル110円台後半と円高基調を続けたことが相場の重しとなった。指数は押し目買いで下げ渋る動きをみせたものの、プラス転換には至らず、後場は安値圏でもみ合いを続けた。TOPIXも反落だった。写真は都内の株価ボード。2014年1月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 31日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に4日続落した。前日の米国株安に加え、為替が1ドル110円台後半と円高基調を続けたことが相場の重しとなった。指数は押し目買いで下げ渋る動きをみせたものの、プラス転換には至らず、後場は安値圏でもみ合いを続けた。TOPIXも反落だった。

業種別では石油・石炭が下落率でトップ。保険が上昇率でトップとなった。東証1部売買代金は3兆0176億円。モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)による指数銘柄の定期入れ替えの影響で、今年2番目の大きさとなった。

アドバンテスト<6857.T>など半導体関連の一角が堅調に推移。ソフトバンクグループ<9984.T>は朝方に取引時間中の年初来高値を更新したが、買い一巡後は下げに転じる場面もあった。東証1部の売買代金トップは任天堂<7974.T>。ゲーム関連が賑わう展開がきょうも続いたが、全体相場はこう着感が強く、日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>は指数算出開始以来の最低水準を付けた。

証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏は「ここ数日、値動きの軽い銘柄に短期の資金が入る一方、主力株が見送られる相場が続いている。米経済指標の発表が相次ぐ中で手を出しづらい」と指摘。同時に「ちょっとしたことで上下に振れやすい局面に入りつつある。26週移動平均線が位置する1万9200円台までの調整があってもおかしくない」と話す。

個別銘柄ではパナソニック<6752.T>が年初来高値を更新。30日に実施した投資家向けの事業方針説明会の内容が伝わった。この中で同社は、車載関連で2022年3月期の売上高を2兆5000億円(17年3月期は約1兆3000億円)に拡大し、自動車部品メーカーの「トップ10入り」に挑戦する方針を掲げた。中長期的な事業の成長を期待した買いが入った。

半面、菱洋エレクトロ<8068.T>が大幅反落。30日に発表した17年2―4月期決算で、連結営業利益が前年同期比27%減の3億2500万円と減益だったことが嫌気された。主要顧客による生産調整が影響したという。

東証1部騰落数は、値上がり622銘柄に対し、値下がりが1282銘柄、変わらずが112銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19650.57 -27.28

寄り付き    19630.33

安値/高値   19589.25─19673.51

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1568.37 -4.30

寄り付き     1568.22

安値/高値    1565.25─1571.40

 

東証出来高(万株) 201898

東証売買代金(億円) 30176.37

 

(長田善行)

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