渋滞の都を快走「バンコク空港鉄道」の存在感 車内は混むが時間どおりで安心

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夕方に日本を出発する飛行機を利用するとバンコクには深夜到着となり、すでに最終列車が発車した後に到着ロビーに出ることも多いが、その場合、深夜は道路もすいているのでタクシー利用で特段の問題はない。バンコク市内中心部まで片道400~450バーツ程度(1400~1600円程度)で利用できる。早朝の出発便においても同様である。

BTS(高架鉄道)のパタヤイ駅。ARLとの乗り換えも便利だ(筆者撮影)

ARLから地下鉄(MRT)に乗り換えができるのはマッカサン駅、スカイトレイン(BTS)に乗り換えできるのはパヤタイ駅となっており、特にパヤタイ駅は乗り換えも便利で、BTSでバンコクの主要スポットに行けるほか、スワンナプーム国際空港へ向かう際には始発駅なので確実に座ることができる。またホテルの場所に応じて、マッカサン駅もしくはパヤタイ駅からタクシーに乗る利用者も多い。

特に帰国時には強い味方

この「エアポートレールリンク(ARL)」は、運賃も片道45バーツ(約155円)と割安で、何よりも時間を確実に読める点は大きい。特にラッシュ時においては、空港へ向かう際に鉄道のほうが安心できる。この列車があることによって、帰国便を利用する際に万が一道路が混み合っていても、タクシーをあきらめて鉄道に切り換えることで空港に時間どおりたどり着くことができる。空港鉄道があるだけで気持ちに余裕を持てるのだ。

スワンナプーム国際空港駅は空港ターミナルの地下にある(筆者撮影)

スワンナプーム国際空港駅も空港ターミナルの地下にあり、それほど長い距離を歩かずに利用できる点も評価できる。問題点があるとすれば、朝の時間帯も10~12分間隔であることから、早朝便で到着して市内へ向かう場合に途中駅でラッシュ並みの混雑になることもあり、大きな荷物で乗車していると通勤客に迷惑をかけてしまうことがあるほか、夕方のラッシュ時では座れないこともある。

また、マッカサン駅での地下鉄(MRT)の乗り換えには時間がかかり、特に外を歩く時間も多く、日中など暑いときの移動は思っている以上に疲れることもあるなどといった問題点はある。

次ページ以前はノンストップ列車もあったが…
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