全国初、「ダムでクライミング」検討のワケ

「足羽川」建設で国交省が提案

足羽川ダムの工事の進ちょく状況などを確認した国と福井県、池田町の協議会=26日、福井市の県水産会館

幅約460メートルのダム堤体の壁面活用を検討

足羽川ダム建設に伴い、移転対象となった福井県池田町の68戸の用地補償契約が完了したことが、26日に福井市で開かれた足羽川ダム建設事業推進協議会の第16回会合で国土交通省から報告された。地域振興策として、平常時は水をためない「流水型」ダムの特性を生かし、クライミングコースとしてダム堤体壁面の活用を探っていくことも国交省から提案された。実現すれば、全国初という。

会合には国交省近畿地方整備局の井上智夫河川部長、福井県の辻義則土木部長、池田町の溝口淳副町長らが出席した。協議会は非公開で行われ、会合後に内容を説明した。

68戸に対する用地補償交渉は13年8月に始め、16年度末までに全戸と移転契約を結んだ。国交省の担当者は「供用開始に向け、工程上遅れることなく協力を得ることができた」とした。池田町の担当者は「町は苦渋の決断で事業を受け入れた。生活再建を最優先してほしい」と話した。

地域振興策に関しては、国交省はダムを活用した「インフラツーリズム」を提案。17年度から大規模な工事が行われることを受け、工事現場の見学と観光地周遊を組み合わせたツアー開催を一例として示した。また、クライミングコースは高さ約96メートル、幅約460メートルのダム堤体の壁面の活用を検討するとしている。

会合ではこのほか、ダム本体の掘削工事が当初計画より1年遅れの19年度末に始めることを国交省が提示し、福井県と池田町から了承された。国交省によると、本年度から水海川導水トンネル工事に着手し、予定通り2026年度の完成を目指すとしている。

足羽川ダムの総事業費は約960億円。16年度末の事業費ベースの進ちょく率は34・9%。本年度当初予算には約52億4千万円が計上されている。

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