中途採用を強化する人事3000人のリアルデータに見る
今、注目の採用手法”ダイレクト・ソーシング”とは

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この活動をWeb上で行えるのが、「ダイレクト・ソーシング」と呼ばれる採用手法である。転職希望者が登録されているデータベースから、企業が「採用したい経験・スキルを持つ人材」に直接メールでスカウトを送付するやり方だ。スカウトメール送信者(募集企業側)の情報も公開されるので、応募前から信頼性・安心感を与えることができる。日本で徐々に浸透しつつあるこの手法は、欧米では既に主流となっている。

「日本の人事部」の調査によれば、直近1年で43%の企業が「ダイレクト・ソーシングを導入・強化した」と回答しており、既存の手法と並行して取り組む企業が増えていることがわかる。

その中でも、「人材紹介サービスと一緒にダイレクト・ソーシングを活用している」という企業は、2016年6月時点で全体の4%であったのに対し、2017年2月には12%まで急増した。

並行して取り組む理由として、今までと同じやり方を続けていても、必要とする母集団が作れない、間に第三者を介さずダイレクトに候補者へアプローチをしたいという声が最も多く、応募者の質を落とさずに、自らできることがないかを模索している様子がうかがえる。

人事3000人の生の声、ダイレクト・ソーシングの実態

2016年1月~2017年2月、インテリジェンスでは、中途採用活動を行う企業3000社に採用動向を調査するアンケートを実施した。その中で、「現在ダイレクト・ソーシングを実施しているか?」という問いに対し、2016年6月時点では19%の企業が該当したが、2017年2月には35%と、約半年で1.8倍に急増した。同アンケートでは、ダイレクト・ソーシング未利用の企業に対し、「ダイレクト・ソーシングに取り組まない理由」も聞いており、「手間がかかりそう」「応募が集まるか分からない」「自分たちの会社にはまだ早いと感じる(大手企業が活用している印象である)」という不安の声が目立った。

では一体、どのような企業がダイレクト・ソーシングを新たに始めているのか。2016年1月にリリースした、インテリジェンスのダイレクト・ソーシングサービス「DODA Recruiters」を利用している企業の傾向から紐解いていく。

ダイレクト・ソーシングは、人材紹介サービスや転職サイトなど、既存の採用手法の中では比較的新しい分類に入る。利用したことがない企業にとっては、大手企業が活用する印象も強いかもしれない。

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