ここでも日本車優位?! 全米盗難車の人気トップはホンダ・シビック

 ビックスリーが苦境に陥る一方で、トヨタ自動車が2008年上半期で世界販売首位に立つなど、日米自動車メーカーの業績格差がますます広がっている。こうした日本車人気は何も新車だけに限らない。2007年度にアメリカで盗難された自動車は、ほとんどが日本車と、”泥棒市場”でも日本車人気は上々だ。ナショナル・インシュアランス・クライム・ビューロー(NICB、全米保険犯罪局)の自動車盗難年間レポートによれば、米国で最も盗難された自動車の車種リストは以下の通り。なんとトップ10のうち4、5、7位以外を日本車が占めた。

1. ホンダ・シビック(95年製)
2. ホンダ・アコード(91年製)
3. トヨタ・カムリ(89年製)
4. フォード・F-150シリーズ ピックアップトラック(97年製)
5. シボレー・C/K1500ピックアップトラック(94年製)
6. アキュラ(ホンダの高級車ブランド)・インテグラ (94年製)
7. ドッジ・ラムピックアップトラック(04年製)
8. 日産・セントラ(94年製)
9. トヨタ・ピックアップトラック(88年製)
10.トヨタ・カローラ(07年製)

NICBの広報ディレクター、フランク・スカフィディ氏は「日本車が盗まれる率が高いのは、日本車がアメリカ市場で人気だからだ。車そのものだけでなく、盗難した車から部品を盗んで売る部品の需要も高い」という。日本車はアメリカでトップクラスの人気だ。スカフィディ氏によれば、ハイブリッド車のプリウスや高級車のBMW、コルベットなども盗まれるが、全米で見れば販売台数が多い車種の盗難台数も増える傾向にある。また、車のが古くなると、オーナーの管理も甘くなるうえ、盗難警報装置の装備も進んでおらず、盗難されやすい傾向があるそうだ。

スカフィディ氏は、「ガソリン高騰が続けば、プリウスの盗まれる数は上がっていくかもしれない」と予測する。

クルマ大国のアメリカでは、車を盗んで中古車市場に出したり、分解して部品を輸出する車泥棒という稼業が成り立っている。地域的に人口1人当たり車の盗難が多いトップ5は、1位・カリフォルニア州モデスト、2位・ネバダ州ラスベガス、3位・カリフォルニア州サンディエゴ近辺、4位、カリフォルニア州ストックトン、5位・カリフォルニア州サンフランシスコとオークランド近辺で、カリフォルニア州が多い。

NICBはカリフォルニアには全米でもっとも自動車が多いうえに国境があり、港があるためではないかと分析する。このほか、メキシコと州境のテキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州も盗難が多い。

車泥棒はアメリカの国境近辺で自動車を盗み、車やその部品を持って国境を越える。盗難車の流通経路はさまざまあるが、そのまま国外で売りさばくほか、メキシコやカナダで車に関する新たな書面を偽造し、再びアメリカに持ち込んで、別の車として売るケースもある。

「ロサンジェルスで午前9時に盗まれた車が、午前9時50分頃メキシコで走っているというようなケースもある」と、前述のスカフィディ氏。組織だった車の窃盗団が関わっていることもあるという。

日本車を盗まれそうになった、旅行代理店勤務の女性は、「友人の家を訪れた時、住宅街の路上に駐車していた。戻るとビニール製の幌が切り裂かれており、危うく盗難されるところだった」と言う。

NICBが提案する盗難を防ぐ方法は、まず常識を使うこと。車をロックし、キーを抜いて自ら管理する。 次に、光や音で目立つ盗難警告装置を使う。また、燃料を少なくしたり、キルスイッチやスマートキーを使いエンジンが始動しないようにする。「盗難防止装置の利用は効果的で、盗まれる確率が低くなる」。さらに、GPSや無線周波数技術を使用ったシステムで、盗難車を追跡できるようにするのも良い。「警察が盗難車を追跡し、取り戻すのが早くなる」。

また、中古車を買う前に、それぞれの車にあるVINナンバー(自動車1台ごとに付けられている固有のシリアル番号)をネットでチェックして、盗難車を買わないようにする。部品はワランティといわれる補償がないと、盗難部品の可能性が高いらしい。もし、中古車が盗難車であったり、部品が怪しい場合、NICBに報告すれば、犯罪活動の防犯の手助けになる。

FBIの犯罪データによれば車の盗難は07年は11%減っており、それが明るい材料といえる。
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)

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