星のや軽井沢の客が、やけに活動的な理由 夏も冬も、内も外も!終わりなき”カイゼン”

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お客様を待たせて上司に判断を仰ぎにいくのと、自分で判断するのと、どちらがCS(顧客満足度)が高まるのか、それぞれのスタッフが判断する。その従業員のそれまでの経験と、それまでに教わってきた知識で判断する。そこにその人なりのロジックがあればOK。もちろん、間違っていたら言いますけど。

そうしたことを繰り返している軽井沢では人が育つのが早くて、入社2年目でセクションのリーダーが育ちます。個人差はあります。でもそれは当たり前で、競争社会で優位性を持っている人材を、応援できる組織作りが重要なポイントになります。

菊池総支配人

――具体的な組織作りについてもう少し詳しく教えてください。

星野リゾートでは日常の業務以外に、「麓村塾(ろくそんじゅく)」という社員教育システムがあります。ビジネスに関するノウハウや知識を教える時間があって、軽井沢ではさらにマーケティングの基礎を教えています。自主的に参加する従業員が軽井沢では非常に多くて、一度にやると業務に支障が出るので2~3回に分散して開催しています。

正社員100人弱の3分の1とか、パートさんまで参加してきます。チームを組ませて、実際の業務を例にとってその位置づけを考えたり、リピーター客のホスピタリティを高める工夫をするプレゼン競争を、マーケティングの考え方を取り入れて行っています。そうするとみんな休憩時間とかに面白がって一生懸命に研究するんですよ。こういう自主的に考える仕組みを作るのがマネジメント層の責任だし、それに乗っかってきてくれるスタッフは早く伸ばしてあげたいなと思う。

若いスタッフが多いので、中間管理職が手薄なことは人事も感じているはずなので、若い中間管理職を何人輩出できるかに力を注いでいます。秋には「日経新聞を読む」という講座を開こうと思って、記者の方をゲストにお招きする予定です。

――それでは、ぜひ『会社四季報を読む』みたいな講座をお願いします(笑)。それから、若手の人材教育に関してですが、いわゆる「ゆとり世代」を感じたりされることはありますか?

いや、あんまりないですよ。ゆとり世代でもやる子はやるし、「ザッツゆとり世代」もいるし(笑)。育った環境とか、その人の性格によりますね。

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