35歳で億万長者、米「ハンバーガー姫」の素顔 イン・アンド・アウト・バーガー創業夫妻の孫

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イン・アンド・アウト・バーガーの社長、リンジー・スナイダー(写真:Bloomberg/ゲッティイメジーズ)

アメリカのファストフードハンバーガーといえば、安くて速いが、不健康そのものと想像する向きが多いだろう。実際、ほとんどのファストフードハンバーガーは今でもその類で、食べた後に少々の後悔心が残る。

だが、アメリカ住まいの人々が「こういうファストフードもある」と自慢したくなるようなハンバーガーチェーンがある。それがイン・アンド・アウト・バーガー(In-N-Out Burger)だ。今、そのイン・アンド・アウト・バーガーのチェーンを継いでビリオネアになった、リンジー・スナイダーという35歳の女性に注目が集まっている。

米『タイム誌』によると、30歳でイン・アンド・アウトバーガーの株式50%相続したリンジーは、5月5日35歳になった際に残りの50%を相続。イン・アンド・アウトバーガーの起業価値は現在13億ドル(約1450億円)を超えていることから、米国女性で最も若いビリオネアが誕生したというわけである。

創業約70年、「新鮮さ」にこだわり

彼女を詳しく紹介する前に、イン・アンド・アウト・バーガーとはどんなチェーンなのかに触れておこう。

イン・アンド・アウト・バーガーは、地元産の素材や注文後調理する「新鮮さ」を売りにしている(写真:trumanlo via Wikimedia Commons)

カリフォルニア州やテキサス中を中心に展開する同社の創業は1948年。ロサンゼルス郊外で誕生した。当時は珍しいドライブスルーの店舗として建設したのが、リンジーの祖父母であるハリーとエスター・スナイダー夫妻だ。現在は西海岸の州を中心に324件を構えるチェーンに拡大したが、創設当時から変わらないのが、新鮮な食材を利用するというコンセプトだ。

「新鮮」といっても、その意味は深い。すべての食材は500マイル(約800キロメートル)以内の産地から仕入れたもので、ハンバーグもフライドポテトも注文を受けてから調理する。通常のファストフードならば、紙に包まれたハンバーガーや少し前に揚げられたフライドポテトがヒートライトの下で注文を待っていたりするが、そうしたことはイン・アン・アウトでは許されない。イン・アンド・アウトには、電子レンジや冷凍庫もないのだ。

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