「社内は敵だらけ」と自覚しない人は損をする 成果を出す人は、受付の人まで仲間にする

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社内営業は、根回しだけでなく、仕事の生産性を高め、高い成果を上げる強力な武器にもなります。そんな体験をしたことが筆者もあります。ちょうど、同期の仲間が受付にいたときのこと。営業帰りにちょくちょく雑談をしていたのですが、

「そういえば、今日、ウチの会社に○○社の社長さんが来ていたよ」

「え? それってウチの課が攻めているお客さんじゃない。誰に会いに来たの?」

「財務担当役員」

「そうか。じゃあ、財務の人に聞いてみよう」

これは、私と受付の同期が仲間だったらからこそ寄せられた情報です。もし仲間になっていなければ、受付の人がわざわざそんな情報を知らせてくれるはずはありません。

名刺情報の共有が進んでいるものの…

最近はさまざまな会社で、名刺情報の共有が進んできていますが、受付とか、購買部門の取引情報や、近隣の会社同士の関係などの人脈情報まで、漏れなく仕事に活用できている会社なんて、まずありません。

俗人的に仲間に役に立ちそうであれば、情報が提供されるにすぎません。あるいは社内の部門単位での取り組みを仲間から早めに知ることで、仕事に役立ったことがあります。別の商品を取り扱っている営業部門の仲間から、

「来月から新サービスをリリースすることになった。おまえの耳には入れておこうと思って」

と早めに入手できた情報を活かして、新たな提案の準備を用意周到にできたことがありました。おそらく、筆者と関係が浅く、仲間との認識がなければ、このような情報を提供してくれることはなかったと思います。

このように社内営業から得られるものは多岐にわたります。冒頭の調査ではネガティブなイメージを抱いて、食わず嫌いになっている人が大半であることを紹介しましたが、その食わず嫌いを取り払って、社内営業に挑戦してみてはどうでしょうか。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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