自己流の仕事にこだわる人は結果を出せない 防衛大で学んだ最短で効果を上げる時間術

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時間を有効に使うことが最短で結果を出すことにつながります(写真:Fast&Slow / PIXTA)

「いったいどんなことをしていたの?」

「防衛大出身」だと言うと、ほとんどの人からこうした質問をいただきます。防衛大、正式名称「防衛大学校(以下、防衛大)」は、将来の幹部自衛官を養成することを目的として創設された学校です。

私は防衛大を卒業後、広島県江田島市にある海上自衛隊幹部候補生学校を経て、一般企業に就職しました。入社1年目。営業に飛び回りましたが、強力な営業ノウハウがあるわけではありません。毎日、目の前の膨大な量の仕事に追われ、それぞれの仕事が中途半端になり、お客様からクレームが入ることもたびたび。自分では一生懸命に取り組んでいるつもりでも、結果がついてこず、上司からも「もっと結果を出せ」と叱咤されるばかり。そんな状況に気持ちばかり焦り、いきあたりばったりで仕事する、そんな悪循環に陥っていました。

どうにもこうにもうまくいかなくなったある日、ふと思い出したのが、防衛大に入校したばかりのときの生活でした。どんな状況下でも結果を出さなくてはならず、ない時間を必死でひねり出していた日々――。

なす術がなかった私は、防衛大時代に学んだ「結果を出すためにすべきこと」を仕事に応用してみることにしました。すると、状況が一変しました。ぐんぐん営業成績が上がり、入社2年目から4年連続売り上げナンバー1、営業MVPも独占、さらには入社6年目で異例の営業部長就任、2年間で会社の売り上げを160%アップさせるなど、どんどん結果が出たのです。

そんな仕事術をまとめた拙著『何があっても必ず結果を出す「防衛大」式最強の仕事術』でも詳しく紹介していることの一つが時間管理です。

防衛大1学年は「3歩以上」歩いてはいけない

防衛大1学年は「3歩以上」歩いてはいけません。「3歩以上は走れ」がルールとして定められているからです。学生舎内も、食堂に行くのも、風呂に行くのも駆け足。夏場は、風呂に行くだけで汗だくです。その汗を風呂で流した後、今度は部屋まで駆け足で戻るのでまた汗だく。1学年で歩行が許されるのは、足を骨折した人のみです。このルールには、防衛大の時間に対する考え方がギュッと凝縮されています。

「時間は与えられるものではなく、つくるもの」

これが、防衛大の時間教育の基本です。防衛大生、特に1学年は常に時間で管理されています。

午前6時30分に起床、6時35分に日朝点呼、その後、7時まで清掃の時間です。上級生からの指導などもあり、たいていの場合、7時までには終わりません。その後、駆け足で食堂に行き、5分で朝食を食べます。8時5分の国旗掲揚までの間に制服のアイロンがけ、靴磨き、襟章磨きをします。制服はシワ一つ、ホコリ一つついていない状態にします。

靴は、「自分の顔が映るくらい」に、襟章は「ピカール」という研磨剤でピカピカに磨きあげ、ハンカチもきれいにアイロンがけをしなければならないので、時間に追われまくります。

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