佐藤優「月間300冊の読書は、これで可能だ」 「2種類の速読」に池上彰も驚く、その秘訣は?

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佐藤:私は速読を、1冊5分で読む「超速読」と、1冊30分で読む「普通の速読」の2種類に分けているんです。

「熟読」と「速読」で違う読み方をする

【佐藤優の読み方3】1冊5分の「超速読」のやり方
池上 彰(いけがみ あきら)/ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。NHKで記者やキャスターを歴任後、2005年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍中。現在、東京工業大学特命教授。名城大学教授(撮影:今井康一)

佐藤:まず「超速読」は、本全体の印象をつかみ、熟読に値する本かどうかを見極めるための読み方です。

池上:先ほど伺った「熟読する本」と「速読する本」の仕分けを、「超速読」によって行うわけですね。

佐藤:はい。具体的には、「はじめに」の1ページと目次を読み、それ以外はひたすらページをめくっていきます。このとき、文字は読まずにページ全体を見るようにして、目に飛び込んでくる見出しやキーワードを頭に焼き付けます。そして、結論部分の1ページを読むのです。

池上そのジャンルの基礎知識さえしっかりあれば、そのやり方でも本のおおよその内容はつかめそうですね。

【佐藤優の読み方4】「超速読」で「読むに値しない本」を排除する

佐藤:「超速読」にはもうひとつ目的があり、それは「読むに値しない本を排除する」ことです。先ほどの「本を仕分ける」話にもつながるのですが、本には「現時点で自分が理解できる本」と「理解できない本」があります。「理解できない本」の1つ目は、自分の基礎知識が欠けている場合です。

池上:基礎知識がないのに、いくら難しい本を読んでも理解できませんからね。

佐藤:はい。そしてもうひとつ、説明がいい加減だったり論理の整合性が崩れているといった、よくいえば「独創的」な、率直にいってしまえば「でたらめ」な本があるんです。そういう本は、いくら読んでも知力が向上しないので、入り口で排除する必要があります。

池上:時間は極力、有効に使わなければいけませんし、無意識のうちに間違った知識がインプットされるという恐ろしいリスクもありますからね。

次ページ1冊30分の「普通の速読」はどうする?
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