「無名なシェアトップ」企業にも就活せよ! 有名人気企業に入社しても大切に扱われない

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イシダは世界シェア第2位の計量・包装機器メーカーだ。国内シェアは産業用が8割、商業用が5割と圧倒的な強さを誇る。

同社は1893年に日本初の民間計量機メーカーとしてスタート。業界のパイオニアとして、1969年には業界初の電子計算計量機を発売し、1972年には世界初の「コンピュータスケール」を開発するなど、計量機業界をリードし続けてきた。

コンピュータスケールとは、野菜のように形状や重量が1つごとに異なるモノの重量を正確に計量し、決められた重量ごとに袋詰めをする機械だ。たとえば1袋150グラムのピーマンの詰め合わせを作る場合、コンピュータスケールは各ピーマンの重量を計測すると同時に、合計150グラムになるための組み合わせを設定して袋に詰める。このように世界100カ国以上で同社の製品が販売されている。

現在では計量から品質検査、包装、ラベルの貼り付けをする機械やシステムへ、事業範囲を広げている。最近、生魚に寄生するアニサキスによる食中毒事故が多発しているが、同社はアニサキス自動除去装置を開発した。

面接で落ちた学生にアドバイスする親切さ

同社の選考試験の特徴は、とにかく面接を重視していること。エントリーシート(ES)を提出しなければならないが、「この段階ではほとんど落とさない」(イシダ採用担当)。

1次面接は3~4人一組の集団面接だが時間は50分。1人当たり15分程度の時間をかけていることになる。2次面接は学生1人に対し40分もかける。面接官は入社後にミスマッチが起きないことを念頭に置いてじっくり面接を行う。

これだけていねいな対応なので、落ちた学生も納得する。短時間の面接しか行わない企業を受験した学生のように、「落ちた理由がわからない」ということがない。むしろ長時間面接によって、学生との信頼関係が生まれる。そこで、同社の面接に落ちた学生から違う企業を受けるにあたり、アドバイスを求められることが多いそうだ。 

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