チャンギをも越える急膨張するアラブの巨艦

《対決!世界の大空港2》ドバイ 

205都市を結ぶ巨大なネットワーク

夜間に日本を出発し、昼間に現地に到着する。こうしたドバイ経由のエミレーツ便は、忙しいビジネスパーソンのニーズにもかなっている。

たとえば、カラチ(パキスタン)への飛行ルート。ドバイ経由なら、関西や中部を23時前後に出発しドバイ到着は午前4時45分、3時間ほどで乗り継ぎを済ませ、カラチには正午に到着できる。午後から、さっそく仕事に取りかかることも可能だ。

トヨタ自動車の関連企業で働く50代の男性も、この便を頻繁に利用している。「カラチに行くにはほかに香港乗り継ぎとバンコク乗り継ぎの選択肢があるが週3~4便しかない。その点、毎日運航するエミレーツのドバイ便はとても便利だ。ドバイまでは12時間かかるが、ちょうど寝る時間だし、2年前の開通以来ずっと利用している」。

エミレーツの日本発着便の約8割を占めるのは日本人だが、そのうちドバイで乗り継ぐのは6割以上。ドバイ経由でイランやオマーンなどに向かうビジネスマンも少なくないという。

ドバイはエミレーツを筆頭に120もの航空会社が205都市を結ぶ巨大なネットワークを構築。運航便数・就航都市数の多さと接続のよさでは、あのシンガポール・チャンギ空港をも上回る。今、世界で最も勢いのある空港はドバイなのだ。

超巨大空港を造る中東のシンガポール

ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する一首長国で広さは埼玉県とほぼ同じ大きさ、人口は145万人だ。インドやパキスタンからの出稼ぎ者が多く、人口の8割以上を外国人が占めるのも特徴的だ。ある航空関係者は「かつてのエミレーツはアジアの発展途上国に多く飛ばし、利用者の多くがドバイへの出稼ぎ労働者だった」と指摘する。

だが、今やドバイは巨大なハブ空港に変貌、エミレーツは世界中から多くの人を集める有力エアラインに変貌を遂げた。

ドバイ空港に降り立つと、そのきらびやかさに驚かされる。日本円で1000万円以上もするベンツ「Sクラス」が当たる宝くじ(1枚1万5000円)が売られ、免税店ではネックレスや指輪の金製品が大量に売られている。日中は太陽光が優しく差し込む空港だが、夜間はゴージャスな照明が建物を照らす。24時間営業の免税店など各種施設も充実している。

「最近は旅慣れた20歳代の女性に加え、シニアの観光客も増えてきた」とは、ドバイ政府観光商務局の徳田依子プロジェクトマネジャー。高級ホテルを中心にリゾート地としての知名度が向上してきたことと、治安のよさやイスラム文化を味わえることが理由のようだ。

また、ドバイ市内には大型ショッピングセンターが多く、高級ブランド品や貴金属を割安で購入できることもあり、世界中から多くの観光客を引き付ける。

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