遊園地や市場…「今はない施設名の駅」10選 首都圏には意外に多い?昔のままの駅名

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小田急線の向ヶ丘遊園駅(北口)。開業時からの貴重な駅舎が残る(筆者撮影)

4月1日に改名された獨協大学前<草加松原>駅(東武スカイツリーライン)の旧駅名は松原団地。かつては駅近くに存在したのに、時代の流れで松原団地が存在しなくなったゆえの駅名変更だった。

ところが、施設などがとうの昔になくなってしまったのに、いまだに駅名としては存在しつづけている例が各地に存在している。前回の学校名の駅10選でも、東横線の学芸大学駅、都立大学駅などを紹介した。今回は学校名以外で、存在しなくなった施設を駅名としているものを首都圏の路線から選んでみた。

レジャー施設は永遠なり

1)向ヶ丘遊園駅<小田急電鉄・神奈川県川崎市>

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都心から近い小田急沿線のレジャー施設として人気だった向ヶ丘遊園は、2002年3月31日限りで閉園となった。それから15年も経ってしまったが、駅名は向ヶ丘遊園のままであり、変更する予定もない。

中間の小駅ではなく、急行停車駅でもあり、向ヶ丘遊園行きの各駅停車も存在するので、小田急沿線では知名度の高い駅名である。マンション名や商業施設に使われたり、「ゆうえん」という略称で呼ぶ人も少なからずいたりするので、改名するとかえって混乱するのかもしれない。

向ヶ丘遊園の北口駅舎は、ギャンブレル屋根という歴史的価値のある名建築で、一見の価値がある。乗降客の多いのは南口で、バスターミナルがある。かつては向ヶ丘遊園へ向かうモノレールが発着していたが、もはや面影はない。

このバスターミナルからバスに乗ると生田緑地に行くことができる。エリア内には、日本民家園、岡本太郎美術館、向ヶ丘遊園から引き継いだバラ苑、D51と旧型客車の静態保存もある。また、藤子・F・不二雄ミュージアムもでき、遊園はなくなったけれど、レジャーや文化施設は充実している。ちなみに、向ヶ丘遊園駅の発車メロディーには『ドラえもん』など藤子・F・不二雄アニメのメロディーが使われている。いっそ、藤子・F・不二雄ミュージアム駅に改名してはどうだろうか?(笑)

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