遊園地や市場…「今はない施設名の駅」10選 首都圏には意外に多い?昔のままの駅名

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5)大森海岸駅<京急本線・東京都品川区>

運河はあるものの、海とは遠く離れてしまった大森海岸駅(筆者撮影)

近くに京浜運河はあるものの、埋め立てが進んで、東京湾は駅からは影も形も見えない。1933年に大森海岸駅と改称されたころは海岸沿いの駅だったと想像はできるものの、80年以上たって景観はすっかり変わってしまい、マンションばかりが目につく。しながわ水族館が徒歩圏内にあるので、少しは海のにおいがするけれど、この駅を通るたびに、どこが海岸なの? と不思議に思ってしまう駅名である。

6)青物横丁駅<京急本線・東京都品川区>

変わった駅名としても知られる青物横丁駅。野菜などを持ち寄って市が開かれたことに由来する(筆者撮影)

この駅も風変わりな駅名の多い京急線の中で異彩を放っているもののひとつだ。すっかり地名と化してしまったので、変な駅名くらいにしか思わないけれど、江戸時代に野菜や山菜といった青物を持ち寄って市を開いたことに由来する。昭和初期の頃は、八百屋が立ち並んでいたことから青物横丁と呼ばれるようになり、それが駅名として今に続くのである。旧東海道が近くを通り、寺社をはじめ古びた町並みが独特の雰囲気を形成している。

駅名に残る鳥居の存在

7)大鳥居駅<京急空港線・東京都大田区>

環八通りと産業道路の交差点にある大鳥居駅(筆者撮影)

京急蒲田から分岐して羽田空港へ至る、支線とはいえ京急の稼ぎ頭となっている路線の2つ目の駅。環八と産業道路が交差する交通量の多い交差点に接する駅のため地下化されている。ところで、地上に出てみても駅名の大鳥居は見当たらない。

かつては、穴守稲荷に至る参道の大鳥居があったため大鳥居駅となったのだが、鳥居は撤去されて今はない。穴守稲荷の大鳥居といえば羽田空港内に存置されたままだった赤い鳥居が有名で、撤去しようとするたびに事故や事件が起きたためそのままにされ、その後お祓(はら)いなどをしたうえで移転して決着がついたというエピソードがある。

私事だが、この駅近くにかつての職場があり、数年間通ったので思い出が詰まった駅である。

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