「心の傷」は言ったもん勝ち 中嶋 聡 著

「心の傷」は言ったもん勝ち 中嶋 聡 著

この20年で「急性ストレス障害」「適応障害」「パニック障害」等々「心の病」に関する病名は増え、「心の傷」という言葉も一般化した。昨年、朝青龍が一連の騒動で「解離性障害」と診断されたが、この病名も従来は「ヒステリー」と称されてきた典型的な心因性の病の一種だという。

今や「被害者が○○と感じたら○○」が裁判でもまかり通る時代。冤罪も少なくない。現役の精神科医として日々患者と接している著者は、現代のこうした様子を「被害者帝国主義」と断じ、被害者の権利ばかりが拡大し権力化していると疑問を呈する。傷病金給付や障害年金等をめぐる疾病利得の問題にも触れ、行き過ぎた被害者保護の陰で生じる現代の歪みを指摘する。

新潮新書 714円

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
選挙後は大モメ必至<br>どうする子育て支援の財源

新党相次ぎ大混戦の総選挙だが、総選挙後の焦点となる財源問題を検証する。子育て支援5兆円の財源をどうするのか。所得税や相続税の累進強化では不足。やはり消費税頼みか。