はたしてトランプ大統領は弾劾されるのか? 特別検察官任命までの流れを詳しく解説

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今回の解任事件が大きなスキャンダルに発展する契機となったのは、トランプ大統領から屈辱的な扱いを受けたコミー前長官が反撃に出たからである。

5月12日にはコミー前長官とトランプ大統領の会食での会話の録音が存在していることが明らかになった。トランプ大統領は「ジェームズ・コミーは報道機関に情報をリークする前に録音テープがないことを願ったほうがいい」と発言。この発言は、録音が存在することをトランプ大統領が暗に認めたうえで、コミー前長官を脅迫したものと受け取られた。記者の質問に対してショーン・スパイサー報道官は、録音の存在を繰り返し否定した。録音の存在の報道を受けて、上院諜報委員会の共和党委員はホワイトハウスから録音を入手する方法の検討を始めた。

トランプ大統領がホワイトハウス内で録音を行っていることが明らかになれば、リチャード・ニクソン大統領のウォーターゲート事件と重なることになる。ニクソン大統領はホワイトハウス内で秘密裏に録音を行っており、この録音が公表されたことがニクソン大統領の弾劾、辞任に結び付いた。共和党の大物ジョン・マケイン上院議員は、「今回の事件は規模と内容においてウォーターゲート事件を上回るものだ」という厳しいコメントを発表している。

15日の朝、一部の共和党議員がトランプ大統領にコミー前長官と会食した際の録音を公表するように求めた。リンゼイ・グラハム上院議員は「もしトランプ大統領とコミー長官の会話の録音があるならホワイトハウスはそれを議会に渡すべきである」と語った。

ロシア・ラブロフ外相への機密漏洩

5月15日付のワシントン・ポスト紙が、トランプ大統領にさらに打撃を与えるニュースを掲載した。トランプ大統領は10日に行われたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、セルゲイ・キスリャク駐米大使との会談の席で「機密情報」を漏らした、と報道したのである。

そのこと自体に違法性はないが、伝えたのが同盟国からの機密情報であったことから安全保障上の深刻な問題として受け取られた。ポール・ライアン下院議長(共和党)は、トランプ大統領に「事実関係の説明」を求めた。国家安全保障担当のハーバード・マクマスター大統領補佐官は、その報道を否定。またロシア政府もトランプ大統領が機密情報をロシア側に提供した事実はないという声明を出すなど、対応に追われた。

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