「痴漢」を疑われた時、何が最適な行動なのか 線路に立ち入り「逃走」するケースが相次ぐ

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痴漢の疑いを晴らすには、どのような手段が有効なのか(撮影:梅谷秀司)

JR新橋駅で5月11日、女子高生から痴漢被害をとがめられた男性が、ホームから線路に飛び降りて、走り去った。京浜東北線や山手線などが一時運転を見合わせて、約5万人に影響した。東京都内で、痴漢を疑われた男性が線路に飛び降りて、逃走するケースが相次いでいる。

4月25日にはJR板橋駅で、痴漢を疑われた男性がホームから線路に飛び降りて逃走した。男性は翌26日、逮捕された。警察の取り調べに対して、男性は「触れたが故意ではない」と容疑を否認しているという。

JR渋谷駅でも4月24日、男性がホームから線路内に立ち入り、約5万5000人に影響が出た。ツイッターでは、痴漢情報も流れたが、原因は不明と報じられた。3月14日にはJR池袋駅のホームから、男性が線路に立ち入り逃走した。この男性は、車内で痴漢行為をしたと被害者女性から指摘されて、池袋駅に降りていたという。

報道によると、今年3月中旬以降、痴漢を疑われた男性が線路に逃走するケースは8件にのぼっている。線路に立ち入って逃走した場合、どのような法的問題が待ち受けているのか。痴漢行為を疑われた場合、どう行動すればよいのだろうか。甲本晃啓弁護士に聞いた。

線路へ逃げるのは「論外」だ

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

「まず、線路へ逃げることは絶対にやってはいけません。対応としては『論外』です。

相次ぐ事例で問題になっているように、線路に侵入すれば、鉄道会社は安全確認のために、運転を見合わせるなどの対応を余儀なくされます。首都圏では、多数の路線が集中していますので、無関係な人々に多大な影響を及ぼします。

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