日経平均は3日ぶり反発、年初来高値更新 2万円回復ならず失望も、割高感はすでに解消

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 5月16日、東京株式市場で日経平均は、3日ぶりの反発となった。前日の米国株高などを支援材料に一時は節目の2万円まであと2円弱と迫ったが、短期筋とみられる失望売りで一時下げに転じる場面もあった。写真は東京証券取引所で2015年8月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、3日ぶりの反発となった。前日の米国株高などを支援材料に朝方は買いが先行し、一時は節目の2万円まであと2円弱と迫ったが、大台到達には至らず、短期筋とみられる失望売りで一時下げに転じる場面もあった。ただ好業績銘柄を中心とした個別銘柄の買いは継続。指数も持ち直しの動きを見せた。

日経平均、TOPIXともに年初来高値を更新。業種別ではパルプ・紙が上昇率トップ。石油・石炭、食料品がこれに続いた。半面、最も値下がりしたのは鉱業で、不動産や保険など金融セクターが下落率上位にランクインした。

2万円に接近した局面では戻り待ちの売りのほか、リンク債に絡んだ先物の防戦売り観測もあり、徐々に上値の重さが意識された。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は140%を超え、短期的な過熱感も継続している。

一方、国内企業の決算発表を経て、日経平均の予想EPS(1株利益)は上昇。同時に日経平均の予想PER(株価収益率)は15日時点で15倍台を割り込んだ。バリュエーション面での割高感解消による「日本株への効果が出るのには、そう時間はかからないだろう。2万円回復も時間の問題」(岩井コスモ証券・投資情報センター長の林卓郎氏)との見方が聞かれた。

個別銘柄ではブイ・テクノロジー<7717.T>が急伸。15日発表の2018年3月期連結業績予想において、営業利益が前年比84.7%増の100億円の見通しとなった。有機ELパネル関連での複数の大型案件が収益増に寄与するという。大幅な増益予想を好感した買いが入った。

半面、 東芝<6502.T>が大幅安。前日比で12%を超す下げとなった。メモリー事業の売却に関し、合弁パートナーの米ウエスタン・デジタル(WD)<WDC.O>が国際仲裁裁判所に差し止めを申し立てていたが、綱川智社長は15日の会見で、売却できない場合の代替案は検討していないと述べ、強気の姿勢を示した。売却手続きの遅れや上場廃止リスクを警戒した売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり1130銘柄に対し、値下がりが767銘柄、変わらずが118銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19919.82 +49.97

寄り付き    19953.06

安値/高値   19862.41─19998.49

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1584.23 +4.23

寄り付き     1587.79

安値/高値    1580.46─1590.70

 

東証出来高(万株) 217425

東証売買代金(億円) 26603.22

 

(長田善行)

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