米国株、低調な指標受けダウやS&P500続落 小売業や米国経済全般に対する懐疑広がる

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5月12日、米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が続落。写真は2013年5月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が続落。ナスダックは小幅高で引けた。朝方発表された一連の米経済指標が低調な内容となったことが相場を圧迫。さらに軟調な業績を嫌気し、百貨店株の売りも膨らんだ。

米消費者物価指数と小売売上高統計がともに精彩を欠く内容となったことで米成長懸念が広がり、連邦準備理事会(FRB)が年内タカ派的な利上げスタンスを維持するか懐疑的な見方が広がった。

4月の米小売売上高は前月比0.4%増。市場の0.6%増には届かず、小売セクターおよび米経済全体に対する懸念が広がった。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのシニアバイスプレジデントのスティーブン・マソッカ氏は「雇用や所得を示す指標が良好にもかかわらず、消費は拡大していないようで、懸念材料だ」と語った。

通常金利上昇の恩恵を受ける銀行株は売られ、ダウとS&Pの重しとなった。S&P500金融株は0.45%下落した。

百貨店株はこの日も売りを浴びた。四半期既存店売上高が予想以上の落ち込みとなったJCペニーは約14%安、ノードストロームは10.8%安。低調な業績が引き続き嫌気され、メーシーズは約3%下落。前日から2日間の下げは19%超となった。

ゼネラル・エレクトリック(GE)も売られ約2%安。ドイツ銀行が投資判断を「ホールド」から「売り」に引き下げたことを嫌気した。

週足ではダウは0.5%、S&Pは0.4%下落。ナスダックは0.3%上昇した。

騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では下げ銘柄が上げ銘柄を上回り、比率は1.32対1だった。ナスダックも1.39対1で下げ銘柄が上げ銘柄を上回った。米取引所の合算出来高は約61億株で、直近20営業日の平均の68億株を下回った。

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