アウディ「Q2」はMINIの強力なライバルだ 日本上陸間近の小型SUVに乗ってみた

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かつてチューリッヒでの国際試乗会では、リアクォーターピラーにイラストなどを載せる提案もあると聞いた。クルマ自体がグラフィティのキャンバスになるとしたら、いまっぽくて、おもしろいアイディアだ。

日本では2017年6月に発売予定のアウディ Q2。さっそくドライブしてみたが、乗った印象は意外なものだった。

Q2の強力なライバルたち

試乗したのは1.4TFSI cylinder on demand sportのファーストエディション。1394ccの4気筒エンジンで、110kW(150ps)の最高出力と250Nmの最大トルクを持つ。さらなる特徴は、シリンダーオンデマンド(COD)システムを備えているところにある。CODシステムは省燃費の新技術だ。

エンジン回転1400rpmから3200rpmの間で無負荷走行(アクセルペダルを踏み込んでいない状態)時に作動し、第2と第3シリンダーを休止する。同時に第1と第4シリンダーではバルブの作動ポイントを変更。燃焼消費を抑えると同時に、運転効率の向上を目指している。COD作動時は、回転計内のバーグラフが緑になることで知れる。2気筒になってもとくに振動が増すことはなく、ドライバーはまず気がつかないだろう。

エンジンフィールはそれほどスポーティではないが、回転に応じてトルクはしっかり出る。低回転域から力たっぷりというより、エンジンを回して走るほうがより楽しい。意外といえば意外かもしれないが、クルマは活発というより、どちらかというとしっとり系。乗り心地はやや硬めだが、高速道路では快適。落ち着いた雰囲気が印象的である。

のちに85kW(116ps)の999cc3気筒ユニットが追加される予定だ。海外で乗った経験からすると、日常的な使いやすさの点で1.4リッター版のほうに分があるという記憶がある。1.0TFSI(299万円〜)と1.4TFSI cylinder on demand sport(405万円)の2本立て。MINI クロスオーバー(386万円〜)の強力なライバルになりそうだ。

スタイル的にいうとトヨタの最新のベストセラー、C-HR(251万6400円〜)とも競合関係が成立するかもしれない。上記のライバルは4WDもラインナップしていたり、燃費に優れるディーゼルやハイブリッドのパワートレインもセリングポイントだ。

アウディ Q2はガソリンエンジン(燃費はリッター17.9kmと発表されている)に前輪駆動の組み合わせのみ。シャレたスタイルの都市型コンパクトカーを求める層にはぴったりだ。

(文:小川フミオ/ 写真:荒川正幸)

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