「メールひとつで嫌われる人」に教えたい視点 「失礼な人」と印象づけるのはこんな一言

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「デキる人のメール術」のような教えとは真逆で、「残念な人が失敗しながら学んだメール術」といったほうがよいでしょうね。決して効率的とは言えないし、「ほほう」とメモするようなハウツーもセオリーもない。

ただ、一緒に仕事をしていく者同士、お互いに人間としての信頼関係を築き、それをお互いに維持していけるように、相手のことを慮ってコミュニケーションすることを、私がとても重要だと思っているということなのです。

メールひとつで印象が変わるのは事実

だから、私も一方的だったり、意味不明だったり、慇懃無礼(いんぎんぶれい)に感じられたりするメールを受け取ると、PCに向かって「はぁ?」と独り言を言ってしまいます。会社員時代のメンバーなら注意もするでしょうけれど、社外の仕事関係の方とのやり取りがメインだと、メールひとつでその人の印象やその後の付き合い方が変わっていくことだってもちろんあるわけです。そのうえ、記録として残ってしまいますからね。慎重にしすぎるということはないでしょう。

社会人2年目のあなたが、先輩から見たら「もうちょっと工夫したらいいのに」というメールを送ってしまう、なんてことはよくあることです。きっと同僚も同じようなしくじりはしているのではないかしら。それでも、なぜだかあなたはちゃんと注意してもらえる。

「しかられた」と思わずに、どう工夫すればよかったか一緒に考えてもらいましょう。今は自分なりのコミュニケーションルールを確立しているのだ、と考えれば受け止めやすくなるはずです。そして、してもらったアドバイスを生かして、次のメールを送ればいいだけです。

1本のメールにたくさん時間をかける必要はないし、だんだんに処理スピードも上がっていくでしょう。失敗をいっぱいして学びに変えていければ、後輩にも多くのことがリアリティをもって教えられます。あなたならきっと、伝えてあげられることのたくさんある、すてきな先輩になると思いますよ。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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