バフェットに学ぶ、儲かる投資「7つの視点」 86歳で「読書」や「企業研究」に1日6時間

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しかし、1000億ドル弱に及ぶまで現金が積み上がってくると、ジレンマを感じることも多いだろう。そこに自己株買いや配当という考えも浮かんでくるのだろう。

6.株は債券との相対比較では割高ではない

バフェットは「金利は企業の成長で最も重要な要素だ」とする。「現在のような低金利の時代はどうしても投資リターンは低くなる。PER(株価収益率)で測れるほど単純ではない。将来の金利の見通しは、目先を追う投機家よりむしろ投資家にとって大事な要素だ。超低金利が正常化すれば、バークシャーの本質的な価値も年率で10%くらいは上昇するだろう」。バフェットによれば、現在の低金利下での債券のPER換算は40倍を超え、割高になっており、株は「債券との相対比較では割高ではない」という。バフェットは「今後金利が上がっていけば、株の投資利回りも上がっていくだろう」としている。

いくら齢を取っても学び続ける

7.バフェットとマンガーの成功の秘訣とは?

バフェットとマンガーの2人は口をそろえて言う。「頭脳明晰である必要はない。IQが高くなくてもいい。ただ、われわれは合理的であった。いくら齢を取っても学び続ける(To continue learning)心掛けが非常に大事だ」。

確かに、バフェットとマンガーが成功した秘訣は、徹底した合理主義者だからといわれる。合理的であれば、価格の歪みも合理的に見つけ出し、物事を合理的に考えれば、世間が陶酔して踊っていたり、恐怖におののいていたりするとき、冷静に逆の判断を下せるというわけだ。実際にそれを40年、50年にわたりずっと続けてきたといってよい。

そして、この齢になっても「学び続ける」という姿勢を当たり前のようにやっている。バフェットは1日5~6時間は、新聞5紙、『フォーブス』、『フォーチュン』などの雑誌5誌、年次報告書、その他の本などを読むことに充てている。読書マシーンといわれるマンガーしかりだ。われわれが「齢を取ったから」と言い訳がましく言うことは、この2人を見ているとまったくおこがましいのだ。

最後に、再びバフェットの言葉を引用しよう。「世界はすばらしいのだから、新しいものに適応しよう。たくさんの質問をしろ。たくさんのことを聞け。古い考えをふさぎ、学び続け、柔軟に前向きに生きよう」。

尾藤 峰男 独立系資産運用アドバイザー

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びとう みねお / Mineo Bito

びとうファイナンシャルサービス株式会社代表取締役。1978年早稲田大学法学部卒業、日興証券入社。1999年まで21年間在籍、英国やカナダ、豪州でも勤務。2000年独立し会社設立。金融機関から完全に独立した資産運用アドバイザーとして活躍中(投資助言・代理業登録、関東財務局)。著者に『いまこそ始めよう 外国株投資入門』『バフェットの非常識な株主総会』などがある。

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