仏大統領選、マクロン当選でも極右は死なず

若きリーダーの政策遂行力に国民は不信感

既存の政党に属さない若きマクロン新大統領(左)。選挙戦中も夫人を伴ってアピールに努めたが、今後の政権運営は楽観視できない(写真:c ZUMA Press/amanaimages)

フランスで極右の大統領誕生は回避された。

世界中が見守っていたフランスの大統領選挙は5月7日に決選投票が行われ、中道・無所属のエマニュエル・マクロン氏(39)が極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン氏(48)を破って当選した。フランスの公共放送「フランス2」によれば、日本時間8日午前3時時点での推定得票率は、マクロン氏が65.1%でルペン氏は34.9%である。

マクロン氏は同午前4時過ぎからテレビ演説を行い、ルペン氏に謝意を表するとともに、連帯してテロと戦う必要性を訴えた。「ヨーロッパを守る」とも述べ、欧州の一員として連携する意向をあらためて強調。演説では一切笑顔がなく、責任の重さがうかがえた。

オランド政権下でマクロン法成立に奔走

「フランスの民主主義の偉大な勝利」「若い大統領にはとても満足だ。スタートアップの会社を支援すると言っている」。パリのルーブル美術館前の広場に集まったマクロン氏の支持者は、テレビのインタビューにこう答えた。マクロン氏は39歳。1958年から現在の第五共和政が始まって以来、最年少の大統領である。

同氏は1977年にノートル・ダム大聖堂などで知られる、フランス北部のアミアンで生まれた。両親はともに医師で少年時代は音楽に熱中し、ピアノはコンクールに入賞するほどの腕前という。多くの著名な政治家を輩出した国立行政学院(ENA)を卒業。2004年から会計検査院で勤務した後、2008年に投資銀行のロスチャイルドへ入り、副社長格まで昇りつめた。

一方で、2006年から社会党の一員となり、著名な経済学者のジャック・アタリ氏の仲介で政界に人脈を築いた。オランド政権発足の2012年には同大統領の要請で経済顧問に就任。2014年には経済・産業・デジタル担当相として入閣をはたした。商店の日曜営業の緩和を認める通称「マクロン法」成立に奔走するなど、フランスで注目の若手政治家の一人だった。

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