医師が警告!「朝に潜む健康リスク」は甚大だ 「心筋梗塞、自殺、アレルギー…」対処法は?

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では、「ブラックタイム」である「朝の時間」を上手にやり過ごす秘訣は何か。ポイントは3つあります。

「朝を上手にやり過ごす」3つのコツ

【1】朝は「スロースタート」が基本

朝は「とにかくスロースタート」が基本です。

急に飛び起きたりすると、体に多大な負荷がかかり、心筋梗塞や不整脈などを起こしやすくなるからです。

朝、目覚めたら、「ゆっくり起床する」のを心掛けましょう。それには、起床時間はゆとりが持てるような時間設定にすることも必要です。

【2】起床したら「コップ1杯の水」を飲む

起床したら「コップ1杯の水」を補給するようにしてください。

起き抜けは睡眠中に汗をかいた分、血液の粘度が高まっているため、血栓などができやすい状態になっているからです。

また、あまり汗をかいている自覚がない冬でも、睡眠中はかなり汗をかきます。季節を問わず、起床したら「コップ1杯の水」の補給を習慣にしましょう。それが万病を予防するコツでもあります。

【3】アレルギーの薬は、寝る前の「発症前」が効果的

朝、アレルギー症状が出てしまったタイミングで薬を服用することが多いと思いますが、朝食後に抗アレルギー薬を服用しても、実は効果はあまり期待できません。

アレルギーの薬は、症状が出る前に服用するほうが効果的です。

症状が出た後の朝食後より、症状が出る前の夕食後か寝る前に服用することをお勧めします。

今回解説したように、人生には「事故や病気になりやすい危険な時間帯」が存在します。その「危ない時間帯」を、私は「ブラックタイム」と命名しました。

「ブラックタイム」を知り、上手に避けることができれば、まさかの「事故や病気」からあなたと家族の命を守ることができます。

ぜひ「ブラックタイム」と「簡単なコツ」を知ることで、「人生における危険な時間」をうまくやり過ごしてください。

石黒 源之 医学博士

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いしぐろ もとゆき / Motoyuki Ishiguro

医師、石黒クリニック院長。

1952(昭和27)年、岐阜県羽島市生まれ。自治医科大学卒業。

県立岐阜病院で新規にスタートした多科ローテイト臨床研修終了。医師が病気で無医村になった、久瀬村や和良村の診療所に勤務。その後、ニューヨーク市立大学マウントサイナイ病院に留学。1988(平成10)年、岐阜市で石黒クリニックを開業し、老人の幸せをテーマに医療を行う。

医療法人社団 医源会理事長、岐阜大学医学部臨床准教授、岐阜薬科大学非常勤講師、特別養護老人ホーム寿楽苑嘱託医、岐阜在宅医療研究所所長。

編著に『老人を幸せにする28の言葉』(角川学芸出版)、共訳に『実地医家のためのファミリィ・プラクティス』(廣川書店)などがある。

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