「信頼され続けるメディア」は何が違うのか エコノミスト誌が174年間堅持していること

拡大
縮小

フランクリン:コミュニティそのものでそういったことは取り締まっておりますので、あまりにも悪意があるコメントに関しては削除しています。

双方向コミュニケーションとしてはオンラインディベート、コメント欄のほかにもさまざまな取り組みを行っています。最近ではフェイスブックライブにも取り組んでいますし、グーグルハングアウトを使ってディベートを行うこともあります。読者の方たちが『エコノミスト』のジャーナリストたちと関わるチャンスは、できるだけ作るようにしています。

山田:フェイスブックライブも使っている、ということは新しいものに積極的に取り組んでいるわけですね?

フランクリン:スナップチャットも使っていますよ。読者の方たちが今見ているもの、使っているものを必ず自分たちも取りいれたいと考えています。読者にとって私たちが常に身近な存在であることを感じてもらうためです。

こういった新しい技術は、これまで到達できなかった読者にもリーチできるようにしてくれています。『エコノミスト』の中心的な読者は、世界で今起きていることに関心を持ち、それが自分たちの生活にどのような影響を与えるかを知りたがっている人たちです。

潜在読者の数は膨大で、急速に増えているところです。ソーシャルメディアをはじめとするデジタル技術によって、これまでは到達できなかったような読者や、これから読者になり得るであろうという人たちにアプローチできるようになりました。

フェイクニュースが与える影響は?

山田:昨年以来、話題になっている「フェイク(偽)ニュース」の問題について伺います。フェイクニュースはソーシャルメディアを通じて瞬く間に広がっていくことからネットニュースの暗部のように語られることも多い。これは『エコノミスト』にどのような影響を与えていますか。

フランクリン:フェイクニュースがあるために、相対的に正確なニュースの価値がどんどん上がっていると感じています。信頼できるメディアとして伝統のある『エコノミスト』『FT』『ニューヨークタイムズ』に対する興味と関心も明らかに高まっています。

山田:読者が信頼できるメディアかどうかを判断する材料のひとつに、「記事に誤りがあった場合の対処の仕方」があると考えています。『エコノミスト』では、どのように対応しますか。

次ページ記事の訂正をどのように行うか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT