春は競馬シーズン、「予想」を楽しんでみよう 新聞の競馬欄、「読み方」をキホンから解説

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さらにその下は通常は予想者の印が並ぶ。◎が「本命」で一般的には最も勝つ確率が高いと予想する印。○が「対抗」、▲が「単穴」でともに1位になる能力がある注目馬。△は「連下」で2着3着の可能性がある馬。二重の△や注などの印もある。◎が並んでいる馬は予想者たちが有力と見ているということ。印の付き方でどの馬が人気になるかということが予想できる。

馬の「速さ」や距離の適性などを押さえよう

馬券を買ううえではオッズも大事だ。印はオッズからわかる人気のニュアンスを読むという材料にもなる。その下はその馬の距離別の最高タイム。これでその馬のスピード能力を測ることができる。さらに距離別の成績が載っている。数字は上から1着・2着・3着・着外(4着以下)の順。これでどの距離に実績があるか、どの距離に適性があるかを推測できる。

続いてレースの成績欄だ。ここにはその馬がどんなレース経験を積んできたかが詰め込まれている。いちばん下が直近のレースで、そこから上に行くに従って2走前、3走前とさかのぼる。まずは開催場の開催日、日付がある。「5東京9」とあれば5回東京競馬9日目。開催日が○や□で囲まれていればそれが馬場状態を表す。通常は○が良、□がやや重、●が重、■が不良。「良」から「不良」にかけて段階的に馬場の含水率が高くなる。その下がレース名と着順、1着馬との着差。レース名は短縮されることが多い。さらに距離、馬場、走破タイム、斤量、騎乗した騎手、1着馬とのタイム差などが記される。

続いて、レースの道中の通過順、頭数、枠順、人気、馬体重などが馬柱の種類によってさまざまな順番で記されている。書かれている馬名はその馬がそのレースで敗れていればレースの勝ち馬、その馬が勝っていれば2着馬ということになる。さらにレースの前半3F(3ハロン・600m)と後半3F(同・600m)のラップも書かれている。アルファベットで「H」と書かれていればハイペース、「M」なら平均ペース、「S」ならスローペースだ。

ここから、さまざまな情報を読み取れる。どんな馬場状態だったのか。どんなペースだったか。たとえば通過順が「1・1・1」と並んでいればその馬はそのレースで逃げていたということになる。前半はスローで逃げて後半は速い脚を使っていたということも成績欄を見ればわかる。これでその馬の脚質や個性もわかる。後半3Fが「33秒8」という数字なら最後の切れ味がすばらしかったということだろう。

成績欄を縦に見ればその馬のベストのパフォーマンスがどういうパターンかということが推測できる。いい着順が続いていれば力があるということがわかるし好調だということもわかる。さらに、各馬を横軸で比較すれば最後の決め手をどの馬が持っているかということも、後半3Fのラップを比較すれば推理することができる。各馬の通過順を見れば、たとえば逃げたり先行したことがある馬が多くそろっていればペースが速くなり、じっくり脚をためる馬が多い場合にはスローペースの瞬発力勝負になるだろうというように展開を推理できる。ここまで考えることができるようになれば立派な競馬ファンである。

いちばん下はコースの実績。右回り芝、右回りダート、左回り芝、左回りダートの過去の成績が1着2着3着と着外の順に記されている。あるいは競馬場別の成績が書かれているケースもある。そのほか重馬場の実績や、脚質ごとの戦績、重賞の実績などが書かれている場合もある。各紙によって形式があるため、まずは1つに決めて慣れることが一番だろう。さらに、各紙に調教のタイムや状態分析、厩舎のコメントも掲載されている。これで各馬の状態を占うことができる。

次ページ「馬柱」の読み解きが競馬の楽しさにつながる
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