観光客激減、エジプトに日本人客は戻るのか

"春"から遠く離れて

かつては毎日約1万人が訪れ、その観光収入で潤った面影は現在のルクソールにはない
4月初めに起きたコプト教会へのテロを受け、エジプトは非常事態を宣言。同月末のローマ法王訪問は、これまでにない厳戒態勢下でのものとなった。
民主化要求運動 「アラブの春」から6年が過ぎた。ホスニー・ムバラク独裁政権を退陣に追い込み、2012年には民主選挙でイスラム系大統領が当選。しかし、1年後には軍のクーデターが勃発し、現在はアブドルファッターフ・アッ=シシ大統領による軍主導の政権が国を担う。
続いた政治混乱、暴動やテロなどの治安悪化によって、エジプト経済は危機的状況にある。観光客の姿も消えたが、経済浮揚のカギはその大きな痛手を負った観光産業ともいわれる。はたして外国人観光客はこの国に戻り、経済は活性化するのか。

チャーター便で復活した直行フライト

カイロにオフィスを構える旅行会社「トライウェイズトラベル」の石原由加利さんの声は弾む。

「『日本人が観光に戻ってきた』と好意をもって話してくれる人々が、観光業界に限らずたくさんいらっしゃいました」

政情不安による利用客減少を受け、エジプト航空は2013年から日本線全線での運休が続く。そんな中、チャーター便ながら日本―エジプト間の直接運航が昨年11月に再開。週1便のみで、今春までの期間限定だったが、久しぶりに見る“フラッグキャリア”の直行便に現地エジプトは大いに活気づいた。

日本側の代理店として旅行手配を行う「デスティネーションコンサルタンツ(以下DCI)」によると、3月までの利用客は5100人ほど。約350席の各便が8割を越える搭乗率だったという。

「50~60歳のミドルエージが中心ですが、遺跡を見るならやっぱりエジプトという声は多かったです。日本人はエジプトが大好き。改めてそう実感しました」(DCI担当者)

チャーター便を使ったエジプト旅行の企画は昨年4、5月にも他の航空会社が実施している。エジプト観光のハイシーズンは下期だが、ここでも十分に日本人旅行者の需要が見込めると、エジプト航空が今回のチャーター便運航に踏み切った。在エジプトの旅行業者・石原さんは話す。

「エジプト航空のチャーター機が飛んだということが、日本人のマーケットに与えた影響は大きい」

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