急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う! 3000億円を突破!新市場をこう攻めよ

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しかも、糖質制限食に関連する商品は、海外へと輸出できる可能性があります。

実は、経済発展が著しい中国や東南アジアでは糖尿病が急増しています。私がこれまで出してきた糖質制限食を紹介する本も、韓国や台湾などで翻訳出版され版を重ねていますし、アジア圏で、糖質制限食に対して興味を持つ人が増えていることは事実です。

また、アメリカやヨーロッパでは、すでに糖質制限食はかなり認識が広まって定着しつつあり、スウェーデンなどはもう成人の3割が糖質制限食を実行しています。

このように、海外で糖質制限食を実践する人が増加しているのですから、安全性に定評のある日本で開発された糖質制限関連商品は、そうした国々で市場を獲得する可能性があるわけです。

糖質制限で労働生産性が向上する

また、糖質制限食が国内で広がれば、労働の効率を上げるかもしれません。

糖質制限をしていると食後の眠気がなくなります。今までは、昼食後にぼうっとしたり眠くなったりして下がっていた仕事の効率がアップする可能性は大いにあります。

事実、大阪のタクシー会社では、眠気防止のために糖質制限食を取り入れているところがあります。眠気が減ることで交通事故が減ると期待できるからです。

また、北九州市で学習塾を経営している三島学さんという方が、糖尿病の治療として糖質制限食を始め、血糖値が正常になったのはもちろん、食後の眠気がなくなったそうです。そこで、ご自分の指導している子どもたちにもすすめたところ、やはり食後の眠気がなくなり、勉強がはかどるようになって、偏差値が平均で9も上昇したと教えてくれました。

湿潤療法を世に広めたことで有名な形成外科医の夏井睦先生も、糖質制限を始めてから昼寝の習慣が必要なくなったと驚いていました。

こうした効果はもちろん、すべての仕事に表れますから、社会全体に糖質制限食が広がれば、労働生産性の面で日本中に経済効果が表れるわけです。先進諸国に比べ低水準にとどまっている日本の1人当たりGDPを押し上げる効果も期待できるでしょう。

新しい商品による国内経済の活性化、海外市場の獲得、企業効率のアップなど、糖質制限食には意外な効果もありそうなのです。

もちろん、何よりも大きい糖質制限食普及によるプラス効果は、生活習慣病の減少です。

糖質制限食は、生活習慣病のほぼすべてにプラスの効果があります。生活習慣病を改善するだけでなく、予防効果も期待できます。

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