日本には「根拠なき自信家」が足りない 経済財政白書も一喝?

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さて、おそらく、この記事を読んでいる方の中には、「そんな人は見たことがないし、自分は野心的な意欲など持っていない」と感じている人もいるでしょう。

でも、「野心的な意欲のある人材」を本気で求める会社が急激に増えています。例えば、取材した食品メーカーでは

《新しいことに挑戦する積極性を、人事制度の評価項目に追加》

しました。しかも、評価ウエートをかなり高く配分。言われたことだけ受け身の姿勢でこなしているだけでは、昇給や昇進がままならなくなったのです。また、あるネット広告会社は《前のめり度》という

「根拠がなくてもいいので、やってやるという意欲の高さ」

を採用で重視する方向に変更しました。いくら秀でた発言をしていても、一歩引いたような冷めた姿勢の人材は、一切採用しないというのです。ちなみに、この会社が昨年まで求めていたのは《分析力、問題解決力》の高い人材でした。根拠なき積極性なんて「危険極まりないもの」と、疎まれるだけ。まさに大いなる変化です。この変化を見落とすと、時代遅れな存在になる可能性があります。

それでも、草食系のままでいますか? みなさんは時代が変化するタイミングに遭遇して、自分を変えるかどうかの岐路に立っているのではないでしょうか。

経済不況の時代に職場で生き抜くために、あえて控え目にして、草食系の仕事をしてきた人もいると思いますが、

「時代が求める人材が変わったので、自分を変えればいい」

とシフトチェンジを考えてみませんか。本当の自分など、棚に上げておけばいいのです。

・野心的に活躍した人物の勉強
 ・行動レベルの変化をアピール

するなどして、職場限定でアニマルスピリッツのある人物を演じてみるのです。

会社は生き残りを懸けて、刻々と変化をしています。ですから、そこで働く人たちも変化を恐れず、時代が求める人材像に近づくよう、努力は怠らないようにしたいもの。それくらいの覚悟が必要な時期なのではないでしょうか。

 

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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