日本株は、もう一段上昇するかもしれない 「グランビルの法則」がハマった4月の相場

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4月の下落は「買い場」になった可能性。日本株はもう一段上昇してもよい(撮影:尾形文繁)

日本株がここへ来て戻り歩調を強めている。4月に入って一定の値の中で上下する「レンジ相場」を下放れたが、急速に戻してきた。チャートから売買タイミングを判断する「グランビルの法則」などからみて、年初来安値をつけた4月14日は、いったん買いの局面に近づいていたともみてとれる。グランビルの法則の話をしつつ、当面の株価見通しを探ってみよう。

「グランビルの法則」とは?

米ウォール街の新聞社で金融記者だったジョセフ・E・グランビルは、1960年に”A Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit”で、さまざまなチャートを使った売買手法を紹介した。

彼は、このなかで200日移動平均線(200営業日の売買コストを表わしたもの、以下200日線)の重要性を唱えた。その方向性(傾き)や株価との乖離(放れ)から、売買タイミングを推し量る法則を広めた。これが「グランビルの法則」だ。

この法則によれば、買いと売りのタイミングは合計8つ(買い4局面、売り4局面)あり、「移動平均線の方向性(傾き)」と「移動平均線の乖離」の組み合わせから、ポジションの取り方を紹介している。

特に「買いタイミング」を計るうえでは、以下の重要な2局面が挙げられる。現在、日経平均株価の200日線は1万7900円台にあるが、4月17日に年初来安値をつけたあとに反発した現在の局面は、(2)にあたる。

(1)押し目買い
右肩上がりの200日線に対し、価格(株価)は200日線よりも深めに下押し、再び騰勢を強める
(2)買い乗せ
右肩上がりの200日線に対し、価格(株価)は200日線の手前まで下落するが、下落は浅めで、その後再び騰勢を強める

一方、200日線から大きく上放れている現在の局面は、大半の投資家の含み益が膨らんでいる状態といえる。この場合、突然想定外のリスクが台頭した場合、長期投資家の利益確定売りや短期投資家の狼狽売りが重なり急落するケースも少なくない。

平均線の傾きは、株価が上昇傾向なのか、下落傾向なのかを知る大事な手掛かりである。仮に200日線が右肩下がりへ転じた場合、長期トレンドが下落したと見なし、基本スタンスを「押し目買い」から「戻り売り」へシフトすることが無難だろう。ヒトにたとえると、適度なヒザの屈伸(押し目)ならいいが、尻餅(急落)をつくと容易に立てなくなるイメージだろう。

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