独自集計!「監査法人の売上高」ランキング 東芝問題で注目が集まるプロ集団の業界地図

拡大
縮小

4大監査法人の中で、売上高では上位3監査法人との差が大きいのが、東芝グループ監査で注目を集めるPwCあらた(370億円)。グループのPwC京都を含めても409億円なので、3位のあずさの半分以下だが、前期からの伸び率は大きい。あらた単体でも京都を足しても、いずれも10.9%の伸びだ。

あらたも非監査業務の伸びが大きく、あらた単体でも京都を足しても、前期比17.5%増。監査業務は単体で4.8%増、合計でも5.4%増に留まる。

上位10事務所の市場占有率は93%

非監査業務の構成比が高い点にも特徴があり、新日本が20.1%、トーマツが26.9%、あずさが22.2%と、いずれも2割~2割強であるのに対し、あらたは単体だと5割超、京都を含んでも48.7%だ。

ビッグ4に続く準大手とされるのが、太陽、東陽、仰星、三優、優成の5法人。これにPwC京都を加えて準大手とする考え方もある。

4大監査法人は世界4大会計事務所と提携関係にある。新日本はアーンスト・アンド・ヤング(EY)、トーマツはデロイト・トウシュ・トーマツ、あずさはKPMG、PwCあらたはプライスウォーターハウスクーパース(PwC)。監査先の海外子会社の監査は、原則、同一ネットワークで担当する。

準大手の場合は海外の提携先会計事務所も世界5位~10位クラス。準大手では順位に変動が出ており、前期と同じ順位だったのは、5位の太陽と9位の三優だけ。前期7位のPwC京都と6位の東陽が入れ替わり、前期10位の優成と8位の仰星が入れ替わっている。

売上高はビッグ4とは一桁違い、準大手の中では群を抜く太陽でも60億円。PwC京都と東陽がほぼ同水準で、前期比で東陽の7.7%を1.6ポイント上回ったPwC京都が順位を一つ上げた。8位から10位までの3法人も、いずれも前期比増収だが、19.1%も伸びた優成が2つ順位を上げる一方、2.8%の伸びに留まった仰星が10位に後退した。

ビッグ4の合計売上高は3338億円(PwC京都含む)、準大手も含む10事務所の売上高の合計は3506億円になる。ビッグ4だけで88%、上位10事務所で93%の市場占有率となる。

11位以下はさらに売上規模が小さくなるためか、わずかな金額の変動でも、順位の変動幅が大きくなる傾向が見てとれる。

次ページ中堅は合併効果発現が2017年期から本格化
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT