「卵子凍結」を考える女性の知られざる実情 20歳から45歳の女性たち385人を調査

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「未婚女性の卵子凍結保存」について、女性はどう考えているのか(撮影:今井康一)
「未婚女性の卵子凍結保存」に関連するニュース報道の増加を受け、昨年から数回にわたり、最新の卵子凍結の状況や浦安市の取り組みを中心に記事にしてきました。東洋経済オンラインではその後、卵子凍結に関する女性たちの思いや実態をより広く知るため、アンケート調査を実施。20歳から45歳までの女性385人から回答があり、その中には切実な現状を訴える声も多くありました。
今、実際に卵子凍結保存という選択を考えている女性はどれくらいいるのか。何を思い、何に悩んでいるのか。この記事ではその現状をご紹介しつつ、そこから見えてくる卵子凍結の現状と課題などについて考えていきます。

「未受精卵子の凍結保存」知っている女性は約92%

ここ数年、未婚女性が卵子を凍結するということについて、女性たちの間で話題に上ることが増えたと感じてきた。しかし、それは筆者の周辺だけなのか、それとももっと広い範囲のことなのか。“将来の自分のために卵子を凍結保存する”という選択肢は、同世代の女性にどのくらい認識されているだろうか。

今回行ったアンケートから浮かび上がってきたのは、未受精卵子の凍結保存について、筆者の想像を超える認知度の高さだった。

具体的には、アンケートの「いつか自分で使うために、自身の未受精卵子を凍結しておく人がいることを知っていましたか?」という質問に対し、約92%もの人が「知っている」と回答。何を通して知ったのか?という設問には、メディアやSNSという回答が目立ったが、友人や知人という回答も少なくなかった。そこからは、女性たちが比較的日頃から、卵子凍結について高い関心を持ち、ときに身近で話題にしているということが想像される。

筆者はこのテーマを継続的に取材してきたが、未婚女性の卵子凍結というのは、以前はここまでメジャーな話ではなかった。たとえば米国のエージェント経由で未受精卵子を凍結した人の話がメディアで報道されても、身近な話題としては受け取られなかったように感じる。それは限られた人の話であって、自分には関係ない、と。そして、仮に自分が実施したとしても、女子会など身近で話題にできるほど、気軽に話せる雰囲気ではなかったのではないだろうか。

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