「味覚」の真実をどれだけ知っていますか 100章の蘊蓄を語れるほど、奥が深い

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81. 味蕾の細胞をつくるもとになる栄養素が亜鉛

82. 加工食品に含まれる添加物、保存料は、亜鉛の代謝に悪影響を与えると考えられている

83. 亜鉛と一緒にビタミンCを摂ると、より効果的に亜鉛が体の中に取り込まれやすくなる

84. 亜鉛はカキ、牛肉、豚レバーなどに多く含まれる

85. 亜鉛の推奨量は成人男性で12mg/日、女性では9mg/日

86. 味覚外来、味覚異常外来など専門の科を設置している歯科、耳鼻科、大学病院もある

87. 近年、小腸にも味覚受容体があることが明らかになった。小腸で甘味を検知するとインスリンを分泌する

かき氷のシロップは同じ味(写真:M・O / PIXTA)

88. 他にも身体の意外な場所に味覚受容体があり、背骨に酸味、膀胱に甘味、精子にはうま味の受容体があるという

89. かき氷のシロップはイチゴ、メロン、レモンなどの種類があるが実はすべて同じ味。視覚に騙され違う味に感じる

90. 赤ワインと白ワインも目隠しをして飲むと飲み分けるのは困難といわれる

世界で最も甘い物質は、砂糖の約22万倍甘い

91. コーヒーの産地や銘柄ごとの品質を鑑定するために味覚検査をする専門家を「カップテイスター」という。ブラジルでは「クラシフィカドール」と呼ばれ、国家資格である

92. 味細胞内で味の情報を伝える酵素は常温のときに最もよく働き、低温や高温のときは働きが弱くなる。とけたアイスクリームが甘ったるく感じたり、冷めたスープが濃い味に感じたりするのはこの働きのため

93. 「プリンに醤油をかけるとウニの味」説、味覚センサーの分析によれば両者の味のパターンはほぼ一致する

94. 砂糖と油脂は摂取するとβエンドルフィンという脳内ホルモンが分泌されるためやみつきになる

95. 辛いものがやみつきになるのも、食べたときに脳内で分泌されるβエンドルフィンが関わっているといわれる

96. デナトニウムはわずか0.01ppmの濃度で苦味を感じさせ、世界で最も苦い物質としてギネスブックに認定された

97. デナトニウムは2000万倍に薄めても感知でき、誤飲防止目的で殺虫剤、洗剤、工業用アルコール等に添加される

98. 世界で最も甘い物質はラグドゥネーム。その甘さは砂糖の約22万倍

99. 2008年、米国のモネル化学感覚研究所のマイケル・トルドフ博士らの研究により、マウスにカルシウムに反応する2種類の受容体があることが判明したと報道された

100. この受容体を人間も持っていれば“カルシウム味”が第6の味覚として認定される可能性がある

(文:森谷美香/モノ・マガジン2017年4月16日号より転載)

参考文献・HP/『 味のなんでも小事典(』講談社)『、日本人の味覚は世界一(』廣済堂出版)『、0~5歳 子どもの味覚の育て方(』日東書院)『、Newton 嗅覚と味覚のしくみ(』ニュートンプレス)、〈武田薬品工業 タケダ健康サイト〉、〈味の素ホーページ〉、他関連サイト
モノ・マガジン編集部

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