北朝鮮「暴走」を封じたのは勇猛な将軍たちだ まさに「将軍たちの時代」がやってきた

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トランプ大統領がそう固く決意するようになったのは大統領に就任してからだが、それ以前から北朝鮮については、しかるべき機密情報を前政権から得ていた。すなわち昨年11月8日の大統領選に勝利した2日後、10日にトランプ氏はバラク・オバマ大統領(当時)と初めてホワイトハウスで会っている。

その初会合は、当初15分の予定だったが、なんと1時間半以上に及んだ。会談後、オバマ氏は記者団に「政権移行を円滑に進めることが私の最優先課題」と決意を述べ、トランプ氏も「いい引き継ぎができた」と応じ、オバマ氏を高く評価した。その引き継ぎの機密情報の大きな1つに北朝鮮問題があったことは間違いない。

アメリカでは「引き継ぎ」に命を懸ける

トランプ氏はオバマ氏との初会合で「いい引き継ぎができた」とオバマ氏を褒めた。内政、外交についての最重要情報について、包み隠さずに伝えてくれたオバマ氏の引き継ぎの見事さを高く評価したのだ。ただ、その引き継ぎのあとは悪口の言いっぱなしだ。

ここで知っておくべきことは、アメリカでは「引き継ぎ」に命を懸ける、ということだ。オバマ氏は自分しか知らない最高機密情報を何から何まですべてトランプ氏に引き継いだのである。もし引き継いでいない重要問題があとあと分かってしまったときには、すべての責任を前任者がかぶることになるからだ。

日本の政治やビジネスの世界でも引き継ぎは大事にされる。しかし、アメリカのように命を懸けるほど厳しくはない。日本の社会では、人間関係がいわば「一家の家族」のようなところがある。差しさわりのない引き継ぎでも別に問題にはならない。

たとえば、会社の転勤などの引き継ぎでも、ほとんどの社員の気持ちは本社のほうを向いている。何か問題が起これば、新しく転任してきた人が処理すれば、それで済む。人事の考え方もそうなっている。

アメリカでは、日本のようにはいかない。引き継ぎはそれこそ命懸けである。オバマ氏が伝えた最高機密情報の中にはトランプ氏には寝耳に水の北朝鮮に関する最新情報があったはずだ。引き継ぎの前と後では、トランプ氏の言動も驚くほど違ってきている。

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