「英語学習が続かない人」に教えたい練習法 リスニング力向上にはシャドーイングを

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シャドーイングを続けることで得られる効果は、主に次の3つです。

(1)リスニングに欠かせない集中力が身に付く

リスニングをするときには、自分のペースで理解していくのではなく、相手の(音声の)ペースに合わせて理解していかなければなりません。聞き取れなかった場合、1対1の会話でなければ、聞き返すことは難しい場合が多いでしょう。リスニングに必要な集中力というのは、リーディングなどに必要な集中力とは少し種類が違うのです。

音を逃さないように聞くことはもちろん大切なのですが、それだけでなく、聞き逃してしまったり、意味のわからない単語があったりしても、そこで思考停止しないで、そのまま聞き続ける力が必要になります。シャドーイングによって、この「聞き続ける力」を伸ばしていくことができます。

「生音」をまねることの効果

(2)本物の英語の音の特徴に慣れる

まねをしようと思って聞くこと、実際に自分の口でまねをして発音してみることで、英語の音の特徴に慣れていくことができます。これは、英文を見ながら1文ずつまねしていくことでも養えますが、英文を見ないで、音だけを頼りにまねをしていくほうが、より「生の音を聞いてまねする」状況をつくり出すことができます。

また、すぐ後をついてまねすることで、英語のリズムやイントネーションなども、まねをしやすくなります。英語特有のリズムやイントネーションをしっかりと定着させることができるので、聞いたときにも違和感なく英語の音をとらえられるようになります。

(3)自分の発音を改善し、英語の発音が聞き取れるようになる

英文を見てしまうと、自分の思い込んでいる発音で読んでしまうため、間違って覚えている単語の発音などに気づくことができません。しかし、シャドーイングをするときには、音しか頼りにするものがないので、聞いた音をそのまままねするという意識が働きます。そして、自分が思っていた発音と違う発音や、自分が発音しにくい音に出合うと、違和感を感じます。そこが出発点になって、自分の発音をより英語らしい発音に変えていくことができるのです。

これはスピーキングに役立つだけでなく、英語を聞き取りやすくなるというメリットがあります。たとえば、英語の母音で、日本語の「あ」に近い音はいくつかありますが、その使い分けが意識的にできるようになっていくと、聞いたときにも聞き分けることができるようになります。発音改善は、リスニングにもスピーキングにも役立ちますので、仕事で英語を使う人にはシャドーイングはピッタリなのです。

さて、忙しいビジネスパーソンは、通勤時間をいかに活用するかが英語学習成功のカギになります。睡眠時間を削ろうとする前に、まずは通勤時間を使えないか試してみてください。

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